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映画『アイリッシュマン』(2019年)のザックリとしたあらすじと見どころ

映画タイトル:アイリッシュマン
原題:THE IRISHMAN
製作年:2019年 アメリカ
監督:マーティン・スコセッシ

映画『アイリッシュマン』は、

裏社会で殺し屋として生きてきた男の半生を描いた映画です。
ロバート・デ・ニーロ、ジョー・ペシ、アル・パチーノで、マーティン・スコセッシ監督で、マフィアもの。期待を裏切らない傑作です。

キャスト

・ロバート・デ・ニーロ(フランク・シーラン/ジ・アイリッシュマン)
マフィアの殺し屋

・アル・パチーノ(ジミー・ホッファ)
全米トラック運転手組合の委員長 権力者

・ジョー・ペシ(ラッセル・バファリーノ)
ペンシルバニアのマフィアのボス

・ハーヴェイ・カイテル(アンジェロ・ブルーノ)
マフィア(フィラデルフィア一家のボス)

・ボビー・カナヴェイル(フェリックス・ディトゥリオ)
殺し屋

・レイ・ロマーノ(ビル・バファリーノ)
ラッセルのいとこ ホッファの側近

映画『アイリッシュマン』の見どころと感想

Netflix


1950年代のアメリカ、フィラデルフィア。食肉配達のトラック運転手のフランク・シーランは、マフィアへの荷物の横流しがきっかけで裏社会の仕事に手を染めていきます。

ペンシルバニアを拠点とするマフィアのボス、ラッセル・バファリーノの下でヒットマンとなったフランクは、やがて家族からも恐れられる存在に。全米トラック運転手組合の委員長であり、当時大統領に次ぐ権力者といわれた人物、ジミー・ホッファを紹介され、ホッファのボディーガードとなるフランク。フランクの娘は恐ろしい裏の顔を持つ父よりもホッファを信頼するようになります。

しかしホッファは政治的利権をめぐってマフィアと対立するようになり、ラッセルはホッファ殺しをフランクに命じー。

評)スコセッシ監督が描く「裏社会で生きた男の末路」

長い。3時間半もある長い長い映画で、フランクの若い頃から晩年までが行きつ戻りつしながら描かれているし、マフィア関係者が次々に登場するしー。時間や世界観がこじんまりした映画が好きな私としてはどちらかというと苦手な映画です。

が、やっぱり面白い。すっかりオジイちゃんになったデ・ニーロが昔を振り返るところから始まるのですが、CGでむりやり若返った若き日のデ・ニーロは暗黒社会で大活躍。イイ人風のぺシや、ギラついた一応堅気のパチーノと交流を深める一方、家族にはすっかり嫌われてしまうのです。

が、そのパチーノをも裏切ることになるデ・ニーロ。この件では立件をのがれますが、別件で収監され老人ホームで寂しい老後を迎えているのです。

この老後のエピソードがそこそこ長いんですよね。でもここが大事。ここが『アイリッシュマン』の見どころ。スコセッシ監督は裏社会で生きた男の末路をちゃんと描いています。

スコセッシ監督作品に限らず、暗黒社会ものの映画ってカッコイイものが多いですよね。「男の美学」とか言っちゃうんですけど、この映画でスコセッシ監督はそうじゃない一面というか、そんなことを言ってる奴らへの戒めというか、現実をちゃんと見せてくれるんです。

ご丁寧に登場人物や関係者は「死因」と「死んだ年」が紹介されるので、みんなろくな死に方をしていないことがわかります。ま、私としては一番ろくな死に方をしていないのはホッファだと思うんですがね、堅気なのに。(ジミー・ホッファの死の真相はいまだに謎で、遺体も発見されていないそうな)

長いな、と思いながらもちゃんと見届けなければならない「生きざま」と「死にざま」がここにある映画『アイリッシュマン』、ぜひ。




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