映画『選挙の勝ち方教えます』(2015年)のザックリとしたあらすじと見どころ
映画『選挙の勝ち方教えます』は、
2002年ボリビアの大統領選に挑むアメリカ人コンサルの奮闘を描くコメディです。
といっても、邦題からイメージするようなコメディ感は薄め。勝つために"危機"を売り込むという戦略がやたら現実感があってー、という映画です。
キャスト
・サンドラ・ブロック(ジェーン・ボディーン)
コンサルタント 選挙戦略のプロ 過去の敗戦で失職中
・ビリー・ボブ・ソーントン(パット・キャンディ)
ジェーンの宿敵 相手候補の参謀
・アンソニー・マッキー(ベン・ソーヤー)
ジェーンの同僚
・ジョアキム・デ・アルメイダ(ペドロ・カスティーヨ)
ジェーンらが支援するボリビア大統領候補
・スクート・マクネイリー(リチャード・バックリー)
ジェーンの同僚
・ゾーイ・カザン(ルブランク)
ジェーンの同僚
映画『選挙の勝ち方教えます』の見どころと感想
2002年のボリビア大統領選挙。その候補者の一人、ペドロ・カスティーヨの陣営に雇われたコンサルタントのジェーン。ジェーンは過去の敗戦から一線を退いていましたが、今回の選挙の相手陣営にかつて自分を陥れたパットがいると知り参画を決意します。
一同はボリビアへ。カスティーヨはかつて大統領の座に就きながらもアメリカ寄り政策で人気を失っており苦戦を強いられています。一方、パットが支援するビクトル・リベラは大衆の心をつかみ目下最有力。
度重なるパットの妨害の中、ジェーンがとる戦略は「危機を作る」というものですがー。
評)コンサル社会の負の部分を皮肉たっぷりに描く
この映画は、アメリカの選挙参謀チームが、2002年のボリビア大統領選に参加した実態を描いたドキュメンタリー映画『Our brand is crisis』を原作にしたもの。だいぶアレな邦題がついていますが原題も同じ『Our brand is crisis(私たちの売りは”危機”だ)』です。
ジェーンらが支援するカスティーヨはとにかく人気がない。失業や貧困といった問題に向き合わず、演説も高圧的。が、この人物像を逆手にとり、こうした強いリーダーが必要とされる”危機”を作る戦略に出るのです。怖いですね。この数年後にトランプ政権が誕生したアメリカ国内もこんな感じだったのかもしれません。
「どんな候補者でも勝たせる」それがコンサルとしての実績になるー、こうしたコンサル社会の負の部分を皮肉たっぷりに描いている本作。選挙戦を経て新体制でボリビアが動き出すラストこそがこの映画がホントに伝えたかったことなのでしょう。
そこまでのなんやかんやは正直ありがちなお仕事映画。もしかしたらなんかあったんじゃない? と思わせる宿敵でスキンヘッドのビリー・ボブ・ソーントンがセクシー過ぎることと、スクート・マクネイリーがいつものマクネイリーで良かったな、ということ。以上をおすすめしたい映画『選挙の勝ち方教えます』です。ぜひ。
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