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映画『ザ・ワーズ 盗まれた人生』(2012年)のザックリとしたあらすじと見どころ

映画タイトル:ザ・ワーズ 盗まれた人生
原題:The Words
製作年:2012年 アメリカ
監督:ブライアン・クラグマン

映画『ザ・ワーズ 盗まれた人生』は、

芽の出ない新人作家が、ある魅惑的な原稿を手にしたことによって起こる人生の転機を描くサスペンスタッチのヒューマンドラマです。その原稿とは、そして作家の人生とは。

キャスト

・ブラッドリー・クーパー(ロリー・ジャンセン)
『ザ・ワーズ』の主人公の作家

・ゾーイ・サルダナ(ドラ・ジャンセン)
ロリーの妻

・デニス・クエイド(クレイ・ハモンド)
『ザ・ワーズ』の作者

・オリヴィア・ワイルド(ダニエラ)
クレイに近づく女性

・ジェレミー・アイアンズ
『窓辺の涙』の真の作者

・ベン・バーンズ
『窓辺の涙』の主人公

・J・K・シモンズ
ロリーの父親

映画『ザ・ワーズ 盗まれた人生』の見どころと感想

(C)2012 BY THE WORDS MOVIE, LLC

小説家のクレイは講演会で自身のヒット作『ザ・ワーズ』を朗読します。

作中の新人作家のローリーは文学賞を受賞しパーティに参加。それを静かに見ているひとりの老人がいます。ローリーはなかなか芽が出ず苦労続き。生活費にも困り会社経営の父からも援助を切ると告げられます。そんな中、新婚旅行で訪れたパリの骨董屋であるカバンを買い求めます。

そのカバンの中にはある小説の原稿が入っていました。その内容に魅入られてしまうローリーは心のままに一語一句書き写していきます。

その書き写しをローリーが書いたと思い込んで感動する妻ドラ。ドラに勧められるままに自分の作品として編集者に届けたその小説『窓辺の涙』は大ヒット作となり新人文学賞を受賞します。

が、パーティの翌日ある老人に話しかけられたローリー。その老人は自分のアイデアを小説に書かないかと持ちかけます。

そのアイデアとは「小説をなくした男と、見つけた若者の話」 パリで兵役に就いたアメリカ人青年が小説を書き始め、やがてフランス人女性を恋に落ち結婚。一女をもうけたが生後間もなく病死し、そのことが原因で2人の間に大きな溝がー。その胸中を小説に綴ったが、その原稿を列車の中に置き忘れてしまいー。

この老人があのカバンにあった原稿の作者であると気づいたローリー。

そしてこの下りの朗読を終えたクレイに、1人の女性が近づいてきます。ダニエラと名乗るその女性はホテルの部屋で小説の続きを教えてほしいと懇願。それにクレイはー。

評)3重の入れ子構造 中心に行けば行くほど魅力的に描かれる作家の物語

成功した作家が実は過去に盗作をー、という話が作中作中作という3重の入れ子構造で描かれるこの映画。随分ややこしく見せておいて結末もモヤッとしています。

わかりやすく役者名で説明しますと、作家(デニス・クエイド)が書いた小説の中の作家(ブラッドリー・クーパー)が偶然見つけた小説『窓辺の涙』の作者(ジェレミー・アイアンズ)の若い頃(ベン・バーンズ)、というように話の中心に向かっていきます。

で、この中心にいけばいくほど魅力的。ベン・バーンズとその妻役のノラ・アルネゼデールはホントに美しい。一方、一番外側にの作家の現実が一番ゲスいという作り、見せ方です。

主演はローリーのブラッドリー・クーパーで、製作も手掛けた力の入れようではあるものの、いちばん割を食ってる印象。作家が自己投影した作中の人物とはいえ、盗作に心を痛めたんだかナンだかわかりゃしないんですよ。

で、その初老作家をデニス・クエイド。その初老を仕留めにかかるダニエラを演じるのがオリビア・ワイルド。初老作家をやりこめるオリビア・ワイルドって、どこかで見たような……、そうそう映画『サード・パーソン』(2013年)ですね。安定の初老イジリ。

ま、なんといっても見どころはジェレミー・アイアンズでしょう。”枯れの美学”とでも申しましょうか、素敵です。

映画『ザ・ワーズ 盗まれた人生』 ぜひ。


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