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映画『MISS ミス・フランスになりたい!』(2020年)のザックリとしたあらすじと見どころ

映画タイトル:MISS ミス・フランスになりたい!
原題:Miss
製作年:2020年 フランス
監督:ルーベン・アウベス

映画『MISS ミス・フランスになりたい!』は、

ミス・フランスになる夢に挑戦するクィア男性の成長ストーリーです。

ジェンダーレスモデルとして活躍するアレクサンドル・ヴェテール主演。ジェンダーによって夢をあきらめることはない、という前向きなメッセージの一方、かなりモヤモヤさせられた1本です。

キャスト

・アレクサンドル・ヴェテール(アレックス)
子どもの頃からミス・フランスになることを夢見るクィア青年 

・イザベル・ナンティ(ヨランダ)
アレックスが暮らすアパートの家主

・パスカル・アルビロ(アマンダ)
コンテストの指導員

・ティボール・ド・モンタレンベール(ローラ)
アレックスの親友 ドラァグ・クイーン

・クエンティン・フォーレ(エリアス)
アレクスの幼馴染 プロボクサー

映画『MISS ミス・フランスになりたい!』の見どころと感想

(C)2020 ZAZI FILMS - CHAPKA FILMS - FRANCE 2 CINEMA - MARVELOUS PRODUCTIONS

9歳の頃、学校で将来の夢は「ミス・フランスになること」と発表するアレックス。が、クラスメートにからかわれ、最愛の両親も事故で失ってしまいます。

自分らしく生きることができないまま24歳になったアレックスは幼馴染のエリアスと再会します。エリアスはプロボクサーになるという夢を叶えていました。そのことに刺激を受けたアレックスは、自分もミス・フランスになる夢に挑戦しようと決意。

下宿先の家主や住人にすべてを打ち明け、男性のままコンテストに挑むことに。地区予選を勝ち上がり、順調にミス・フランスの夢に近づいていくアレックス。しかしー、

評)逆説的なルッキズム批判なのか? 正直よくわからない1本

「男らしさ」「女らしさ」「ーーらしさ」という不確実なものに、もはや価値観を求めないほうがいい。そのほうが一人一人が「自分らしく」生きていけるという価値観の現代。この映画もそこに結実するのかとも思いきや、そうではないようでモヤモヤ。

そもそも一様の美の価値観で審査するミスコンってイマドキどうよ?アレックスのミスフランスになるという夢に全然共感できないばかりか、だんだんやなヤツに見えてくる。成長ストーリーとして見届けることもできないんですよ。むしろ「男ってバレるんじゃないか、バレたらどうなるんだろ……」という不安心が煽られて、「アレックスはアレックスのままでいい」と思い切れない自分に気づかされるんですよ。

正直、この映画の言いたいことはよくわかりません。が、そもそもミスコンという固定の美の価値観の世界を舞台にしたり、そこに皮肉っぽく多様な価値観(コンテストの参加者が環境保護活動に参加するシーン)をねじ込んだり、これは逆説的にルッキズム批判をしているのかな、と。そう考えれば、あの最低なラストも狙ってのことなのかな、と。

ジェンダーやルッキズムという問題に切り込んだ意欲作ながら、どうなんだろコレ?な映画『MISS ミス・フランスになりたい!』モヤモヤすることに意義がある? ぜひ。


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