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映画『おかえり、ブルゴーニュへ』(2017年)のザックリとしたあらすじと見どころ

映画タイトル:おかえり、ブルゴーニュへ
原題:Ce qui nous lie
製作年:2017年 フランス
監督:セドリック・クラピッシュ

映画『おかえり、ブルゴーニュへ』は、

亡き父が遺したドメーヌ(ワイン農家)を相続する3兄弟のストーリーです。
ワイン造りの話もたっぷりで、「ワインと家族再生」という同種の設定の中でもおすすめの1本です。

キャスト

・ピオ・マルマイ(ジャン)
ドメーヌ長男 家業を継がず独立

・アナ・ジラルド(ジュリエット)
ジャンの妹 父とともにワインを造ってきた

・フランソワ・シヴィル(ジェレミー)
3兄弟の末っ子 裕福なドメーヌに婿入り

・ジャン=マルク・ルロ(マルセル)
ドメーヌのベテランのワイン職人

・マリア・バルベルデ(アリシア)
ジャンの妻 

・ヤメ・クチュール(オセアーヌ
ジェレミーの妻 第1子を出産したばかり

映画『おかえり、ブルゴーニュへ』の見どころと感想

(C)2016 - CE QUI ME MEUT - STUDIOCANAL - FRANCE 2 CINEMA

フランス・ブルゴーニュ地方のドメーヌ。経営者である父の体調が思わしくないと知った長男ジャンは10年ぶりに帰郷します。

ドメーヌを継いでいるのは妹ジュリエット。父とともにワインを造ってきましたが、自身の醸造家としてオリジナリティに悩みを抱えていました。末弟のジェレミーは多角経営のドメーヌに婿入りし、第一子が生まれたばかり。が、義実家ではワイン造りに携わらせてもらえません。そしてジャンはかつて父に反発して家を飛び出した身。さらに離婚の危機にー。

そして父が死去。3兄弟は多額の相続税を支払わなければならなくなります。

それぞれの悩みとドメーヌの売却という大きな問題に直面した兄弟はー。

評)生き方の模索をワイン造りに反映させた良作

父が遺したワイン農家でー、という同じような設定の映画の中では私はこれが一番好きです。

舞台はフランス、ブルゴーニュ地方。近年価格が高騰しているブルゴーニュワインの産地です。
ちなみに毎年日本で話題になるボジョレー・ヌーヴォー(11月第3木曜日に解禁される新酒)の産地ボジョレーもブルゴーニュ地方です。

ブルゴーニュの赤ワインでは主にピノ・ノワール(注:ボジョレーヌーヴォーはガメイ種です)という品種が使われます。

ピノ・ノワールはほかの品種に比べて繊細で扱いが難しく、テロワール(土壌や気候、地形など)の影響を受けやすいといった特徴があります。生産村、畑によって厳密な格付けもなされ大量生産が難しいといった事情も価格高騰の一因といわれています。

この映画では、そのブルゴーニュ地方でワインを造り続けてきた父。
そんな父に反発して新天地オーストラリアで新しいワイン造りに苦戦する長男。
父のワイン造りを継承しながらも自身の個性を反映させたいともがく長女。
そして大量生産、多角経営という義実家の中で居場所を失う末弟。
といったそれぞれの生き方の模索をワイン造りに反映させています。

美しい畑の風景、ワイン造りには欠かせない人の力、収穫の喜び(めっちゃ飲むのねぇ!)、そしてエゲツない相続税。

イチ押しのワイン映画『おかえり、ブルゴーニュへ』をぜひ味わってみてください。

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