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映画『おとなの事情』(2016年)のザックリとしたあらすじと見どころ

映画タイトル:おとなの事情
原題:Perfetti sconosciuti
製作年:2016年 イタリア
監督:パオロ・ジェノヴェーゼ

映画『おとなの事情』は、

月食の晩に夕食会に集まった友だち夫婦7人が、スマホの通話やメールを公開するゲームを始めたことから起こる騒動を描いたコメディです。

イタリアのダビッド・ディ・ドナテッロ賞ほか各映画賞を受賞。全世界でリメイクされたことでも知られる映画です。

キャスト

・ジュゼッペ・バッティストン(ペッぺ)
求職中の教師

・マルコ・ジャリーニ(ロッコ)
夕食会のホスト 美容整形外科医

・カシア・スムトゥニアク(エヴァ)
ロッコの妻 心理カウンセラー

・ヴァレリオ・マスタンドレア(レレ)
倦怠期を迎えた夫 

・アンナ・フォリエッタ(カルロッタ)
レレの妻

・エドアルド・レオ(コジモ)
自営業

・アルバ・ロルヴァケル(ビアンカ)
コジモの新婚の妻 獣医

映画『おとなの事情』の見どころと感想

ある月食の晩、ロッコとエヴァ夫婦宅で夕食会が開かれ、そこに友人たちが集まってきます。

レレとカルロッタは倦怠期を迎えた夫婦。インテリな夫と感情的な妻、夫婦の会話にも棘があります。コジモとビアンカは新婚のラブラブ夫婦。ロッコとエヴァには思春期真っただ中の一人娘がいますが、母娘の間柄はうまくいっていません。そしてもう一人の友人ペッぺ。バツイチの教師で最近彼女ができたと聞いている友人たちは興味津々でペッぺを迎えますが、この日ペッぺはなぜか一人でやってきます。

食事とお酒が進む中、エヴァが自分たちに隠し事がない証にスマホを公開し合うゲームをしようと言い出します。かかってきた電話やメールのメッセージを公開するー、そこにはそれぞれの秘密がー。

評)世界各国でリメイクされた映画 言葉や文化の違いも見どころ

たとえ夫婦や友人と言えども知られたくない、知らせたくない事情ってありますよね。別に隠しているわけではないけれど積極的に知らせる必要もない、というか。おとなですからね。

さてこの7人の場合はどうでしょう。あえて話すほどのことのない秘密もあれば、友情や愛情に確実にヒビが入りそうなものも。そして今はまだうまく伝えられない事情もー。

映画は明かされる秘密の内容とともに、友人の間にもある格差や蔑視を描き出していきます。幼なじみとはいえ歩んでいく道はさまざま。仕事や家族、経済状況が違っていく中で、かつての子ども時代のようにすべてを受け入れることができなくなった自分を知る。秘密がバレること以上にしんどいことなのかもしれません。

この映画は世界中の多くの国でリメイクされています。2021年には日本でも東山紀之主演で『おとなの事情 スマホを除いたら』が公開されています。それぞれのお国の事情を反映したおもしろさと、言語による印象の違いも楽しみどころのひとつでしょう。

フランス・ベルギー版は『ザ・ゲーム~赤裸々な宴』(2018年)
設定やストーリーはオリジナルをかなり忠実になぞっていますが、よりシリアスな仕上がりです(倦怠期夫婦の妻を演じるスザンヌ・クレマンがお見事)。

各国の「おとなの事情」をお楽しみください。


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