映画『フランス軍中尉の女』(1981年)のザックリとしたあらすじと見どころ
映画『フランス軍中尉の女』は、
ビクトリア時代の劇中劇と現代の二重構造によって女性の人生の”演技”を描くラブロマンスです。
名女優メリル・ストリープの数多ある代表作の一つです。
キャスト
・メリル・ストリープ(アンナ/サラ・ウッドラフ)
アメリカ人女優 劇中ではフランス軍中尉の妾サラを演じる
・ジェレミー・アイアンズ(マイク / チャールズ・ヘンリー・スミスソン)
イギリス人俳優 劇中ではサラと恋に落ちる考古学者チャールズ役
・リンジ―・バクスター(アーネスティナ)
劇中のチャールズの婚約者
・レオ・マッカーン(クローガン)
劇中のチャールズの旧知の医師
映画『フランス軍中尉の女』の見どころと感想
イングランド南西部の小さな漁村。荒波が打ちつける埠頭に一人たたずむ女性の姿とたまらずに声をかける男。
フランス軍中尉の妾であったサラと、その不遇な運命に惹かれる考古学者チャールズの悲恋を描く映画の撮影が行われていました。
サラを演じるアンナとチャールズを演じるマイクも恋仲にー。しかし、アンナにはパートナーが。
サラは知識も教養もあり絵描きとしての才能に恵まれながらもこの時代(ビクトリア時代)ではまともな職にもつけない。そんな中知り合ったフランス軍中尉を好きになったがー。
そんなサラの噂を耳にし、サラのことが気になっていくチャールズ。が、チャールズには結婚を約束した地元名士の娘アーネスティナがいました。
サラへの思いを抑えることのできなくなったチャールズ。サラもまたチャールズに惹かれていきます。
そして二人を演じるアンナとマイクもー。
評)「劇中劇」で見せる女性の人生と"演技"の重層性
ビクトリア時代の妾と蔑まれたの女の悲劇-、だったら面白くとも何ともない。が、これは劇中劇ですよ、ということを印象的に見せる冒頭のシーン。この映画の巧みな作りにグーっと引き込まれていきます。
ボリュームとしては作中の映画の話が結構長く、いかにこの時代の女性が自由に生きられなかったかが描かれています。
が、そこも1枚仕立てではないんですよ。メリル・ストリープがただ虐げられてる女のはずがない。いや、そうかもしれないけどそうじゃないとプンプン匂わせるのです。メリルさんの表情ひとつに「えっ!?どうなん?アンタの話、ホントはどうなん? 」と翻弄されるのです。
で、もちろん振り回されるチャールズ。サラとのナンガカンダがバレて婚約も破棄。仕事の支援も打ち切られ、それでもサラと一緒になれる、と思ったら肝心のサラは姿を消しー。ベタ過ぎる話ですが、これは劇中劇なのでヨシとしましょう。
問題はこの役を演じている2人の現代のパートですよ。もうね、メリルさんの独壇場。J・アイアンズの被虐感も冴えわたる。劇中劇という二重構造で描く女性の人生の”演技”。
映画『フランス軍中尉の女』 ぜひ。
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