
映画『サイン』(2002年)のザックリとしたあらすじと見どころ
映画タイトル:サイン
原題:Signs
製作年:2002年 アメリカ
監督:M・ナイト・シャマラン
映画『サイン』は、
突如現れたミステリーサークルと次々と起こる怪奇現象を描くスリラー映画です。
監督はM・ナイト・シャマラン。タイトルのとおりさまざまな”サイン”(兆候)が仕込まれている作品です。それは何の”サイン”なのかー。
キャスト
・メル・ギブソン(グラハム・ヘス)
元牧師 妻を交通事故で亡くし信仰に疑問を持つようになる
・ホアキン・フェニックス(メリル・ヘス)
グラハムの弟 元マイナーリーグの野球選手
・ローリー・カルキン(モーガン・ヘス)
グラハムの息子 喘息の既往
・アビゲイル・ブレスリン(ボー・ヘス)
グラハムの娘
・M・ナイト・シャマラン(レイ・レディ)
グラハムと同じ町に住む獣医 妻の交通事故の加害者
映画『サイン』の見どころと感想

最愛の妻を突然亡くした牧師グラハム。そのことで信仰心を失ったグラハムは牧師を辞め弟のメリルと息子モーガン、娘ボーの4人で静かに暮らしていました。
そんなある日、所有するトウモロコシ畑に巨大なミステリーサークルが出現。
そして次々に起こる奇怪な現象。グラハムらはこれらは偶然ではなく何かのサインであると気づきー。
評)信仰もの? 宇宙人もの? どちらにしても微妙なデキ
1980年代に大流行したミステリーサークル。宇宙人の侵略か、あるいはプラズマや竜巻などの自然現象か?と騒がれました。が、1990年代に入り人為的なものと判明( ”こうやって俺が作ったよ”と老人2人組は告白) しブームは収束したのです。
この映画が作られた2002年の時点で、現実社会ではミステリーサークルの宇宙人説は否定されています。なのにミステリーサークルが宇宙人の侵略のサインだというコンセプト 。おまけに「宇宙人に思考を読まれないようにー」と頭にアルミホイルを巻くローテク。
これは単なるSFホラーじゃないよなー、と思ったところでメルギブ演じる元牧師が「偶然による幸運を神による啓示と思うか?それとも単なる偶然と思うか?」とホアキン演じる弟(それにしても濃いな、この兄弟)に問うわけです。めちゃわかりやすい。”信仰の揺らぎ”なんでしょうね、シャマランが描きたかったことは。
序盤はそこそこ面白かったこの映画も、そうしたテーマが見えた後半は微妙。”信仰”云々であれば、『エクソシスト』(1973年)やシャマラン監督自身がオマージュを認めたというヒッチコックの『鳥』(1963年)と比べると弱いし、宇宙人ものとしては、宇宙人の造形、能力からして、もはや笑うしかないのです。
お得意の伏線回収も、”信仰”が絡んでいるので収まるべきところに収めるしかないキレの悪さ。『サイン』というタイトルの大風呂敷感だけが残ります。
そんな個人的にはイマイチな映画ですが、見どころは演技派の片りんを見せる当時6歳のアビゲイル・ブレスリン(『リトル・ミス・サンシャイン』『ゾンビランド』『8月の家族たち』『スティルウォーター』ほか、若手注目株)でしょう。「水がー、水がー」と水にこだわる(っていうかココもわかりやすい”サイン”ですよ) 娘ボーの奇怪な存在感が光ります。
おなじみの監督自身の出演もアリです。しかもめっちゃ重要な役どころ。もはや”サイン”なんてレベルじゃない。
好きな人は大好きな一方、酷評も多いM・ナイト・シャマラン監督。興行的にも大ヒットし評価されている作品ですが、2023年時点では正直微妙としか言いようのない映画『サイン』 ぜひ、お試しください。
ナンダカンダ言いながら、それでも見てしまうシャマラン映画の拙レビューのこちらもどうぞ。
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