映画『天国から来たチャンピオン』(1978年)のザックリとしたあらすじと見どころ
映画『天国から来たチャンピオン』は、
交通事故で突然死亡したフットボール選手がある実業家の身体を借りて現世に舞い戻りー、というコメディです。
人間らしさを突いた笑いと、超ド級のラブストーリーと友情。幸せがてんこ盛りの1本です。
キャスト
・ウォーレン・ベイティ(ジョー・ペンドルトン)
アメリカン・フットボールの有望選手
・ジュリー・クリスティ(ベティ・ローガン)
環境問題ジャーナリスト
・ジェームズ・メイソン(ジョーダン)
天使界の長
・ジャック・ウォーデン(マックス・コークル)
ジョンのトレーナー
・チャールズ・グローディン(トニー・アボット)
大富豪レオ・ファーンズワースの秘書
・バック・ヘンリー
ジョー担当の新米天使
映画『天国から来たチャンピオン』の見どころと感想
アメリカンフットボールの人気選手ジョーは、出場の決まったスーパーボールの直前に交通事故で急死します。
天国に送られたものの自分の死に納得がいかないジョーは猛抗議。ほどなく手違いで50年も早く天国に来てしまったとわかります。
しかし、現世に戻ろうにもジョーの肉体はすでに火葬済み。まだ”死亡”と認定されていない死体があれば乗り移ることができるといわれても、早々条件に合う死体は見つからない。
そんな中一時的に乗り移ることになった大富豪ファーンズワース。ファーンズワースは妻とその愛人で秘書に殺されたばかりでした。
ファーンズワースに乗り移ったジョンは環境問題で抗議に来た女性ジャーナリストのベティに一目ぼれしてしまいー。
評)コメディを信じているからこその演出に陶然
死者が身体を借りて蘇る、という話の原点的作品です。が、この映画もリメイク。原作はハリー・シーガルの舞台劇を『天国は待ってくれる』で、それを映画化した『幽霊紐育を歩く』(1941年)のリメイク作品です。
交通事故で急死し天国へー。
が、そこは天国の前室のようなところで、適当な身体があれば現世に戻れるという案外適当な天国。
さらに「○○家代々之墓」という日本墓地を映し出し戻る身体がないことを納得させ、乗り移った大富豪は実は死んでなかったという強引さ。
強引といえば、ジョーが乗り移った大富豪の見せ方もそう。周りの人には元の姿に見えるはずなのに、ずっとウォーレン・ベイティで通し、キャラすら大富豪に寄せたりしない。大富豪のままスーパーボウルにも出てしまう。
が、そこにこじつけ感は全くなく、コメディを信じているからこその作りだな、と見ていて嬉しくなるのです。
そんなコメディ要素に加えての見どころはベティ(『ドクトル・ジバゴ』のジュリー・クリスティのクリクリヘアが可愛い!)との愛とトレーナー、マックスとの友情。
ジョーが身体を変えてでも遺したい思いにグッときます。
製作・監督・主演はウォーレン・ベイティ。アカデミー監督賞を受賞した大作『レッズ』(1981年)に続く多才さが伺えます。共同監督で新米天使を演じるバック・ヘンリーの可笑しみも。そして共同脚本は、映画『おいしい生活』(2000年)、『ウディ・アレンの6つの危ない物語』(2016年)のエレイン・メイ。
絶対に心が温かくなる映画『天国から来たチャンピオン』 ぜひ。
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