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LGBTの”理解” 映画『ウィークエンド』/日曜の午後にTVで見る映画/おぬし、私の”好き”をわかっておるのう

2023年6月19日

LGBT理解増進法案が成立した。自民党の保守派の裁決棄権(つまり法案成立反対)が話題となったが、私はこの人たちとは別の意味でこの法案の成立を残念に思っている。

そもそも誰の困りごとに対する法律なのか。”理解増進”という、いかにも政治的であいまいな言葉に効力のないことは明らかで、結局何も変わらない。「変えないよ」というメッセージをぶつけられたようなものだ。

そんな中見た映画『ウィークエンド』(2011年) まさにLGBTの”理解”を描いた作品だった。

映画『ウィークエンド』

ザックリいうと、ゲイの男性同士の週末2日間の愛の物語。土曜日の夜、主人公がバーで知りあったのはアーチスト志望の青年。2人は家族や友人との関係、過去の恋愛などを語り合う。どうしても親にカミングアウトできない主人公。そしてある決意をしているアーチスト志望の青年。

この2人を見ていると、異性愛者の自分も人間関係や恋愛感情においては同じだよな、と思えてくる。

でも、ハッとした。

この「自分と同じ」「自分も同じ」が”理解”というのだったらトンデモナイ勘違いだ。同じじゃないじゃん。自分の性志向と常に向き合い、とにきは他人に説明しなければならない。そんな経験は異性愛者の自分にはない。カミングアウトという問題を抱えることもない。

それなのに「自分と同じ」というのは浅薄だ。そんな薄っぺらな”理解”ではなく、置かれている立場の違いを自覚して彼らの望む”理解”に近づきたいと思った。

理解増進法はそういう法にはなっていない。「全ての国民が安心して生活できるよう留意する」という一文には、立場の違いを無視し、少数派を理解するフリをして多数派の権利を主張する傲慢さがにじみ出ている。


映画『ミッドナイトクロス』

もうひとつ映画ネタです。
昨日、日曜日の午後、映画『ミッドナイトクロス』(1981年)を見た。ブライアン・デ・パルマ監督の『殺しのドレス』の次作でサスペンスもの。

デ・パルマ監督おなじみの凝ったカメラワーク、仰々しい音楽(ピノ・ドナッジオ)。主演はジョン・トラボルタで相手役は『殺しのドレス』のナンシー・アレン。

ストーリーは割愛しますが、この雰囲気がまさに日曜の午後にピッタリだった。

動画配信もレンタルDVDもない頃(ビデオの時代です)には、TVで洋画が頻繁に放送されていた。金曜や日曜の夜だけでなく日曜の午後にも。それがきまってB級映画。『タイムクラッシュ・超時空カタストロフ』(1999年)とか『ザ・インターネット』(1995年)とか。

つけっぱなしにしているTVに映る「なんだコレは? 」という映画を見るとはなしにボーっと見ていた。そんな昔の日曜の午後を思い出した。

今でもテレ東に「午後のロードショー」という番組があるけれど、残念ながら福岡では洋画ではなく2時間ドラマの枠。金曜や日曜の夜にTVであるのはジブリかディズニーか、シリーズ最新作が劇場公開される娯楽大作ばかり。つまらん、ホントつまらん。

配信やDVDで見たいものは見るけれど、そういうのとは違って見るとはなしに見るってイイもんだけれどな。


先週のドラマ『カピタニ』を見終わって見始めたのが『ビター・デイジー』
こちらも村社会の行方不明事件と捜査の闇。舞台はメキシコ、当然麻薬が絡む。

初回から明らかにこいつが犯人だな、と思わせる人物がいるのに、一向にそいつにたどり着かない。そうこうしているうちに最終回を迎え、なんと警察側に思わぬ裏が!そしてシーズン2へ。主人公(このドラマの主人公は女性捜査官です)は服役の後、警察を辞めー、

ってまんま『カピタニ』(こっちはルクセンブルクのドラマです)と同じ展開やん!そりゃ好きっすよ、そういうドラマが。でもドンピシャすぎるでしょうが!そのチョイス。おそるべしNetflixのおすすめ機能。


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