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映画『囚われ人 パラワン島観光客21人誘拐事件』(2012年)のザックリとしたあらすじと見どころ

映画タイトル:囚われ人 パラワン島観光客21人誘拐事件
原題:Captive
製作年:2012年 フランス・フィリピン・ドイツ・イギリス
監督:ブリランテ・メンドーサ

映画『囚われ人 パラワン島観光客21人誘拐事件』は、

2001年5月にフィリピンのパラワン島で実際に起きた誘拐事件を題材にした映画です。
377日にもわたるジャングルでの拘束生活。事件が解決しない裏には多発する誘拐ビジネスへの無慈悲な政治対応がー。主演はイザベル・ユペール。

キャスト

・イザベル・ユペール(テレーズ)
フランス人 NGOソーシャルワーカー

・カティ・ムルヴィル

・ルスティカ・カルピオ

映画『囚われ人 パラワン島観光客21人誘拐事件』の見どころと感想

(C)Swift Productions / Arte France Cinema / Centerstage Productions / B.A. Produktion / Studio Eight Productions 2011 All rights reserved.

2001年5月。フィリピン、パラワン島のホテルで観光客21人がイスラム武装勢力アブ・サヤフ拉致、誘拐される事件が発生。フランス系のNGO職員テレーズもこの事件に巻き込まれてしまいます。

船に乗せられ武装勢力の本拠地ミンダナオ島に向かう人質たち。犯人の目的は身代金。人質が家族らに連絡を取りテロリストの口座に入金が確認できれば解放されます。

が、フィリピン軍による無差別な攻撃や、政府による身代金の着服も明らかになり事態は長期化しー。

評)素の”人間”イザベル・ユペールが見せる非情なテロの内側

映画はテロリストと人質の行動をドキュメンタリータッチで描いていきます。ジャングルという環境のなか、ヘビや蛭と戦い、粗末な食べ物を分け合いながら解放されることを望む人質たち。が、フィリピン政府の対応はまずい。何もできないばかりか無計画な攻撃によって人質の命をも奪っていきます。

ジャングルを移動しながらの拘束生活が100日を超えた2001年9月11日。アメリカで起きた同時多発テロは、フィリピン政府の「テロには屈しない」という姿勢をますます強めていきます。

解放まで377日に及んだこの事件ですが、私は映画を見るまでまったく事件のことを知りませんでした。実際の事件にイザベル・ユペール演じるフランス人NGOを創作し、拘束生活の実態やテロリストの少年との交流を描いていきます。そこがこの映画の見どころというか、ある意味「救い」です。

なぜこの映画にイザベル・ユペールが?という違和感は、出口の見えないストーリーの中でどんどん薄れていきます。素の表情、素のたたずまいの”人間”イザベル・ユペールとともに、非情なテロの内側をぜひ。


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