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最近読んだ本の感想「世界で最初に飢えるのは日本」

読み終えて、この本はできるだけ多くの人に読んでもらいたいと思った。

食料需給率が低いことは周知の事実だが、日本の食糧供給がこれほど危険な状態だとは知らなかった。
コロナ禍やにウクライナ危機により、穀物輸入が減少し、中国の爆買い、円安等により日本は買い負けている。日本政府には食料安全保障という考えがないようだ。アメリカ等の穀物輸出国は、食料需給するために日本とは比べ物にならないくらい額の補償を農家にしている。そして輸出先の国の農業の力を弱くしていく。日本は自動車関税を下げてもらうかわりに、農作物の関税は低いままだ。食料は輸入すればいい、という考え方は、今や通用しない

さらにアメリカは、牛などを効率的に育成するため、成長促進剤を使っている。日本では生産するときに使用が禁止されているが、輸入される肉に関して形ばかりの検査をするもののそのまま日本の市場に出回っている。穀物にしても収穫後の防カビ剤使用、遺伝子組み換え農作物が輸入されている。しかも遺伝子組み換えしていることを表示しなくていいことにまでしている。かたやEUは国民の強い反対でそれらの農作物を輸入できなくしている。このため、危険な農作物は日本に流れ込む。

これでいいのだろうか

2021年ころ、生乳を廃棄、というニュースを見た方も多いと思います。廃棄せずにバターをつくればいいのに、という声もありましたが、すでにバターをつくって倉庫がいっぱいになったのでやむなく捨てることを考えているということでした。(結果的には廃棄せずにすんだようですが)
「畜産クラスター事業」により大規模な酪農家は効率よく生産できるようになった。ただし農家には借金が増えた。そしてコロナ禍により学校給食がとだえ需要が激減すると生乳があまってしまった。
牛は生きているわけで、人間の都合よく減産することはできない。こうした状況で政府が生乳を買い取って、生活困窮者に配布するべきだった。こうした政策を海外では実施しているのに、日本はなぜできないのか。

多くの人が食の安全を考えている。すこし価格が高くても国産の安全な農産物を買いましょうと筆者は訴えている。そうすれば国内の農家が潤い、生産を継続することができる。

「地域のタネからつくる循環型食料自給」をめざすローカルフード法によって食の安全が確保されることを期待しています。


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