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eスポーツスタートアップが事業に失敗して資金ショートしたらどうなった? その2

これまでの話

昨年3月には資金ショートした話まで書いた。それでも僕らは進めるのを辞めなかった。とりあえずお金は全く無かったが、やりたいことは明確だった。eスポーツを通して人の可能性を広げる、そんなサービスを作り出したい。その想いだけがあった。

eスポーツジムはゲームセンターの系譜なんです

その時の僕らはeスポーツジム事業というのを進めていた。eスポーツジムという施設をつくり、付近の人たちがそこでトレーニングしたり、練習試合したり、ただeスポーツゲームするだけでなく、そこに集う人たちと仲間となりライバルとなり、切磋琢磨したり泣いたり笑ったり、つまりとても人間的なコミュニケーションを取りながら、人としても成長できるようになる。

そんな絵空事、と思われるかもしれないが、僕たちだけはそれが成り立つことを知っていた。なぜならその前の年の夏頃からeスポーツジムの仮説検証を繰り返していたから。お金借りてゲーミングPCを4台だけ買って、レストランやバーやコワーキングスペースなどにお願いしまくって場所だけ借りて、そこにPC4台置いて仮設ジムを運営してみた。

宣伝するお金もないから、白黒のチラシだけ印刷して、それをビラ配りして近所のお客を呼んでいた。多分1000枚は配ったと思う。そうして見えてきた事。僕らだけが知った事。それは、eスポーツゲームはオンラインだから自宅でもできる。でもそこに何か言いようのない欠落感、物足りなさを感じてる人が結構な割合でいること。

その時僕は思い出した。中高の頃狂ったように通ってた地元のゲームセンター。家でゲームもできるのに、わざわざ通っていた。塾サボってまで通っていた。何故か。人に会いに行ってたんだ。そこに集まるスト2好き、バーチャ好きの人たちと戦い、話し、笑い、そして疲れて帰る。毎日楽しかった。コミュニケーションこそがエンタメであり、そこにいる大人たちから色々なものを学ぶ事ができた。

eスポーツジムに来る人たちはあの時のようなゲーセン的なコミュニティ、つまり人との関係性を求めてるのではないだろうか。もちろんそれはあの時とは違い、21世紀の今ならではデザインがされるだろうが、本質的なところは変わらないはず。こうして、eスポーツジムはかつてのゲームセンターのバリューをアップデートする形で作られていく。

金は相変わらずない

eスポーツの施設作るなんてめちゃくちゃお金が要ります。でも手元にお金なんてありません。僕たちはとりあえず手元資金貯めるための受託仕事を探しながら、並行して投資家周りを始めた。そのタイミングでコロナが流行し始めた。誰も外に出ない世の中が到来する中、オフライン事業に投資してくれる人なんかいるはずも無かった。(正確にはオフラインにも投資してる投資家はいたのですが、僕らの事業内容は投資対象としては見合わなかったんだろう)

どれだけ自分たちだけが知ってる事があろうとも、お金がなければ何できないのが真実です。少しずつ入り始めた受託仕事で税金だけは払いながら、僕たちは別の方法で、eスポーツを通した人の可能性を広げる事ができないか考え始めた。

すみません。また日付が変わってしまいました。今日も未来の話はかけなかったけど、少し未来に近づきました。
明日もまた書きます。おやすみなさい。

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