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【動物園歌会ふたたび】短歌修行 いちにち一詠 #4



十六日目



題「橙」
橙 それははじけるひかり はつなつのしずく 繊細でいてもいいよ うーたん

題「青」
青春をとっくに過ぎて味噌汁を作るえのきだけの味噌汁を ぽめ
 

十七日目



題「故意」
ぼんやりと生きちゃいねーよ 恋は故意 だいじょばなくても揺蕩う踊り うーたん

題「ない」
ないということが存在しているよほらそこらじゅうドーナツの穴 ぽめ


十八日目



題「アラサー」
アラサーってなんすか何サークルですか 歩き回るよ遠回りでも うーたん
ビッグマック食べたことないまま明日アラサーになるアラサーになる ぽめ


十九日目



題「砂」
お土産に星砂を買う小学生でした ほら 想い出の死骸が うーたん
砂時計の砂に触れたい手のひらに広がっている時間が見たい ぽめ


二十日目



題「あー」
アァ〜と鳴く猿がテレビに流されておっさんを知ったような気になる うーたん 

題「夏休み」
夏休みの匂いすなわちばあちゃんの庭の匂いがなぜかする道 ぽめ