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【動物園歌会ふたたび】短歌修行 いちにち一詠 #7


三十一日目



題「んじゃう」
傷んじゃうから桃を剥く痛いのは桃じゃないのにささくれた指 うーたん

題「日曜日」
夏服のマネキン達の目の前を夏服の人通る日曜 ぽめ
 

三十二日目



題「おっぱい」
おっぱいを持たない蛙 ひんやりとして透き通る青白い胸 うーたん

命日だ胸の谷間に一筋の冷たい汗が流れた夏だ ぽめ

三十三日目



題「パンツ」
致命的にショートパンツが似合わないまま歩いてた 羽を拾った うーたん

一人暮らしのお風呂場で生理用ショーツ洗えばほんとにひとり ぽめ

三十四日目



題「蜜」
摩訶般若波羅蜜多心経 うつろでもいいようつろう色が色なら うーたん

題「そう」
泣きそうと言ったときには泣いていて頭と鼻がじんわり痛い ぽめ

三十五日目



題「潮」
キープ、キープ。縄文人が埋まってる電子の海の潮干狩り場に うーたん 

題「唐揚げ」
紙コップに三個入った唐揚げを持って祭りの端っこを行く ぽめ