お母さんの温もりを感じる手打ちうどんとつけ汁カレー。〈手打ちうどん指田屋水道道路店_小平市天神町〉
小平市天神町2丁目の水道道路沿いで古くから続くうどん店のお母さんが毎日打つうどんを食べに行ったら、仕事でもやもやとした気持ちが晴れた話。
仕事でうまくいかないことがあり、そのもやもやを引きずるまま迎える土曜日の一橋学園で用事を済ませた帰り道。
お昼をどうしようかなと悩むも、積極的に楽しむ気持ちの余裕もなく、コンビニで冷凍のナポリタンでも買って家に帰りビールを煽ってふて寝。なんて思っていたけれど、心地良い陽気。
自転車を漕いでいる間にあそこでうどん食べようの気持ちが沸き上がり、うどん店の裏に自転車を止める。
(は)の中であまり気張らずにうどんを食べたい時のファーストチョイス。小平市天神町の水道道路が交わる五差路にぽつんと立つ小さな平屋。
小平に越して来た頃に、青梅街道沿いの大きな狸が目印の『指田屋』で武蔵野うどんを知った20年前。そこから始まる武蔵野うどんライフ。
残念ながらそのお店は閉店してしまったけれど、その妹さんの『指田屋水道道路店』はまだ続いています。
そういえば最近新しくなりましたねの草緑色の暖簾をくぐりこんにちは。先客はなくしんと静まる店内。いらっしゃいと厨房から顔を出すお母さんに迎えられる。
囲炉裏を囲む一辺に2人ずつの8人が座れるテーブルの窓際の日が差し込む好きな場所に座る。
お冷を運ぶお母さんに、ある日、隣の客がおいしいと食べていたカレーのつけ汁がおいしそうと指をくわえてから、それ一択になる『つけ汁カレーうどん』を元気よくお願いする。
ガス台にボッと火がともり、寡黙に調理を始めるお母さん。大鍋に生うどんをほうり、カレーのつけ汁を小鍋で作っているよう。
ぽつんと静かな店内で一人ぼんやりとする禅のような時間。通り抜ける風の心地よさ。水道道路を往来する人たちの会話が遠くに聞こえるこの時間が好き。
13分ほどして茹で上がるうどんをじゃぶじゃぶと水で締め、カレー汁とともに運ばれる『つけ汁カレーうどん』。
太いところと細いところが入り交じり畝る、加水が低いが一目でわかる水気の無いうどん。
一口そのまま食べてみるとムニっといい塩梅の塩気と噛み心地。店先の小さな打ち場で毎日お母さんが打つ朴訥なうどん。
このあたりではこんなうどんをそれぞれの家庭で食べていたんだろうなと想いが膨らむ。
さらさらとしたカレーの汁にうどんを浸してズズずと啜ると、出汁が効く醤油の汁にカレーが混じるほんのりスパイシーなつけ汁。これに嵌る。飲めるカレー汁。
調理を終えたお母さんがやって来て、ぽつぽつと始まるお喋り。こんな穏やかな会話もここの魅力。
そうそうあれは、なんて話しをしながらうどんを頬張っていたら、ここで良いか、なんて言いながらお客さんがやって来る。子供と夫婦とおばあちゃん。一気に賑やかになる店内。
良いねこの感じとお父さんがハイテンション。初めてのよう。ちらちらとこちらのうどんに向ける眼差しに伏し目がちにうどんを啜る。
肉汁を3つと大盛りの肉汁とざるうどんとオーダーを聞きゆっくりと厨房に向かうお母さん。
少しして手慣れたおばちゃんがうどんあるとやって来て、5玉頂戴と生うどんを買っていく。その後にもおばちゃん。
(は)もたまに茹でうどんを買って帰り、家でさっと湯がいて食べてました。そんな日常の中にあるうどん店。
うどんが届き、おいしいなこれと満足するファミリーに、うんうんとうなずきながら、食器とお盆を下げて、お母さんに御馳走さまと声をかける。
駐車場の車のナンバーは袖ケ浦。
是非小平でおいしいうどんを食べたと口コミしてください。
(は)
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