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写真でみる、「エモい」とはなんなのか-描きたい毎日がある-

折にふれ、目に見、耳に聞くものに触発されて生じる、「エモい」という情緒。

普段、文章を書くことを悦として生きている。僕は日々エモいものを摂取して生きている者ゆえ、カメラを片手に「エモい」瞬間に立ち会った際、写真を撮って記録に収めている。日常のふとした瞬間、またとないその瞬間を自分なりに描きたいからである。

はたして。どんな写真が「エモい」のか。日々写真を撮りながら考えている。写真は時間と空間を切り取った世界を写すのだ。そこから、前後の時間軸と横の空間軸を想像する。そこにはじめて「エモ」が生み出されるのかもしれない。

以降、僕が今まで撮った写真とともに「エモい」について考えていこう。

社会を写すもの

新宿南口

コロナ禍真っ只中の東京。東京の人は冷たいというけれど、時には熱くなる瞬間がある。みんなコロナという見えない恐怖に戦っている。声なき声で世相に訴えかける。

今亡きもの

神保町のシンボル「三省堂書店」一時閉店

学生時代、幾度なく通いつめた神保町の「三省堂書店」が一時閉店。本が売れなくなった時代になりつつあるけど、僕は本のおかげで自分の人生が豊かになれた気がする。そんな一時代を築いた神保町の「三省堂書店」の閉幕を見送った。

2022.1.30閉館 新木場STUDIO COAST
2022.1.1閉館 Zepp Tokyo

あの日、あの時、僕を奮い立たせてくれたライブハウスがもうそこにはない。高校生、大学生の僕の瞳には、ライブハウスで演奏するバンドマンが煌びやかに写っていた。あそこで見た9mm Parabellum Bullet、相対性理論、ONE OK ROCK、ゲスの極み乙女、テレフォンズ、今亡きライブハウスとなったけど、彼らの音楽はたしかにそこにあった。

COUNT DOWN JAPAN1617

櫻坂46に改名する前の「欅坂46」をCOUNT DOWN JAPAN1617で観てきた。当時、ゴリゴリの邦ロックを好んでいた僕にとってアイドルのライブは新鮮だった。櫻坂46に進化する前の彼女たちを目に焼き付けてきた。世界には愛しかないのだ。

This is Not a Business

渋谷の奥にある小さいライブハウスでみたあのバンドの光景は忘れない。日の目を浴びることなく解散してしまった、This is Not a Businessの今を知る者はいない。

友の背中を写す

表情がはっきりと写し出されて輝いている写真はたくさんあるけど、表情がみえない背中だからこそ、自由な見方ができる。

夜の東京

今日はどこに行こうかな。東京の街は誘惑が多い。今日頑張ったご褒美に美味しいお酒を飲むのも良し。光る街に人々は吸い込まれる。

東京タワー
同上
同上

真っ暗な空に発光する東京タワーを下から見上げたことあるだろうか。見上げるとそこには無骨で無機質な骨組みだった。

画面越しの東京駅

僕が見ている世界を写した1枚である。スマホ越しにして撮るのって意外と難しい。

視力0.1以下(眼科だとそれ以下の数値が出ないため、本当の視力を知らない)の僕が見た世界である。東京の夜景は僕にはボヤけて見える。

ジャンクション
同上
同上

今日も。そして明日からも。各々の人生を乗せた車が走る。どこまでも、どこまでも。

海が走る街で

インドネシアの海にて

海岸近くに住んでいる子どもたちだそうだ。さまざまな娯楽があるなか、子どもたちにとって海は最高の遊び場だったのかもしれない。海が喜んでいる。

神奈川の海岸にて

1日の終わりを静かに迎える海の姿。

夕焼けに染まる空がある風景

会社から、学校から、遊びから帰ってくる者を優しく迎え入れてくれる。

木漏れ日が差す中で

一番"日常”が感じられる瞬間である。慌ただしい日々から、静かに慰めるかのように日常を迎え入れてくれる。

日常の些細な幸せを見つけに

目的地があるわけではなく、ただただ歩くだけのデートだけど。文明の利器に頼らない。歩くだけで見つけられたお店がそこにはある。

高架下で独り静かにトランペットを吹く男性。孤独な音色が街をこだまする。とても美しかった。

ここにはどんな思い出や人生が込められた衣服が入っているのだろう。そんな空間に思いを馳せて。

たまたま見つけた電線に魅せられて

たまたま通りかかった暗い街で光っていた桜に引き寄せられて

こういう路地が好き

時が止まった街で

人類の活動の営みが途絶えた街で、人々の暮らしを考える。

エモいとは

最後に。この記事を書くにあたって、カメラロールに入っていた写真を眺めていた。「エモい、エモくない、エモい、エモい、エモくない」と、花占いのごとく写真を選んでいた。この作業を通じてわかったことがある。他人の写真を観て「エモいわぁ」と感じるのは、何気ない日常の中にある人間の営みがわかる写真である。

たとえばこれ

https://www.oricon.co.jp/special/56139/

ただの下校中の高校生に見えるが、その楽しそうな顔、バックに写る富士山、青春が詰まった1枚である。何気ない日常の中に、人類の活動の営みがわかる写真だ。縦の時間軸、横の空間軸の前後がこの写真からありありと見えてくる。

僕もこんな写真、撮れたらいいな。

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