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広がる気候変動の影響 ~アフリカ・コモロ~

昨日、NHKの国際報道2021で、アフリカのコモロにおける気候変動の影響について詳しく報道がありました。気候変動による島嶼国の影響は何年も前から危惧されてきましたが、予想以上に影響は多岐に渡るのだと実感しました。

コモロ地図

コモロ諸島は、アフリカの東側のインド洋に浮かぶ小さな島国です。東京都ほどの大きさの島々に、85万人ほどが生活しています。アフリカの中でも開発が遅れている最貧国の一つのようですが、この島に気候変動の脅威が様々な形で迫っているというのが、NHKの報道内容でした。それらの脅威を列挙すると、

・海面上昇による、砂浜の消失。波などによる災害リスクの上昇。
・海水の浸透による、地下水の塩水化。衛生面の悪化、生活水が減る水不足に。
・新型コロナウイルスによる需要の現象で、生活苦。

その他にも調べたところ、コモロでは森林破壊が進み、森林の保水機能が失われ、河川に流れる水の量が減ったことで、水不足にさらに深刻にしています。森林の生態系が破壊され、表土も流出し、土壌から栄養素が激減しているようです。水不足は生活用水に影響を与えるだけでなく、農業にもダメージを与え、近年のコモロの農作物の生産量は著しく減少しているようです。

田家康の「世界史を変えた異常気象」では、気象災害はその社会の一番弱いところに大きな影響を与える、と述べられています。かつての第2次世界対戦下で、ソ連に侵攻していたナチスドイツ軍は、急激に冷え込んだ冬に襲われ、多くの兵士が防寒を十分にしていなかった足に凍傷を作り、ドイツ軍は敗北しました。現在進行中の気候変動は、まさに今の社会の弱い場所からじわじわとダメージを与えていっています。

海面上昇による被害は、日本も例外ではありません。日本の数多くの砂浜は、海水に流されてゴツゴツした岩肌が露出するかもしれません。日本の都市の多くは海に近い平野部にありますが、海面上昇により地下水が塩水化し、商業や生活に大きな影響が出るかもしれません。

これから起こりゆく気候変動の影響をより研究して未然に防止するとともに、温室効果ガスを地球全体で減らして、人間による気候変動の進行を少しでも抑えなければ、今後被害を受ける人が世界中で益々増えることが予想されます。

※サムネイル画像は、トリップアドバイザーより。


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