49.沢火革(たくかかく)~創造的破壊②

六十四卦の四十九番目、沢火革の爻辞です。
卦辞はこちらです。
https://note.com/northmirise/n/n0e4e8cf5e8fd

49沢火革

主爻

主爻は九五です。大人虎変、虎の毛が生え変わるが如く、諸侯が天命を受けて天子となるのです。

初九

鞏(かた)むるに黄牛の革を用ふ。
象に曰く、鞏むるに黄牛を用ふとは、以て為す有る可からざるなり。

(未だ改革の時宜を得ず)物を束ねる(準備をする)ために黄色(六二)い牛の革を用いる。

革の卦はまだ始まったばかりで、焦りに走って軽挙妄動してはなりません。上にある六二の中徳を見習って、時の宜しきを得るのを待つべきです。

六二

已(つちのと)の日乃ち之を革(あらた)む。征けば吉にして咎无し。
象に曰く、已の日、之を革むとは、行きて嘉(よきこと)有るなり。

(十干の半ばを過ぎた)己の日にしてようやく改革を行う。(九五の元に)行けば吉にして咎はない。

柔順中正であり、自ら主導者とはなりません。時機が十分に熟する時を待って、主導者たるべき九五の元へと向かうのです。

九三

征けば凶。貞しけれども厲し。革言(かくげん)三たび就(な)る。孚有り。
象に曰く、革言三たび就る。又何(いず)くにか之(ゆ)かん。

(血気にはやり過ぎて)行けば凶。正しい行為であっても危うい。改革すべしという声が三たび挙がる。さすれば(そうする他に行くべき道はなく)大義を得よう。

陽剛なる三爻、剛強に過ぎます。利己心のみをもって進むのではなく、天下の人々の進むべしという声を聞いてから進むべきです。

九四

悔亡ぶ。孚有り。命を改めて吉。
象に曰く、命を改むるの吉は、志を信ずるなり。

(不正にして危い位置ながら)悔いは滅ぶ。心に孚があるからである。(天下の人々はその志を信じており)天命を革めて(改革を断行して)吉。

改革を断行すべき時です。陰位の陽爻であり、行き過ぎることもなく消極に過ぎることもありません。

九五

大人は虎変す。未だ占はずして孚有り。
象に曰く、大人は虎変すとは、其の文炳(へい)たるなり。

賢人君子は虎の毛が生え変わる(が如く己を変革する)。占噬するまでもなく、その孚あること明らかである。

虎は夏から秋にかけて毛が生え変わり、秋になると色彩鮮明にして美しい色になります。九四の諸侯が、天子となるのです。

上六

君子は豹変す。小人は面を革む。征けば凶。貞に居れば吉。
象に曰く、君子は豹変すとは、その文蔚(い)たるなり。小人は面を革むるとは、順にして以て君に従ふなり。

君子は(虎よりも一回り小さく弱い)豹の毛が生え変わる(が如く変革する)。人民は新たなる君に従う。(従わない臣民もあろうが)無理に進んで(これを征伐するのは)凶。正しい道に安んじておれば吉。

九五の続き、改革を断行した後です。虎ほどではなく、豹の程度でよしとすべきです。古い時代を懐かしむ人に対して無理な要求をしてはいけません。改革を成したあとは、漸次に修正を加えていくべきです。

まとめ

内卦は未だ改革の時来たらず、外卦は改革を断行し、かつ断行した後です。

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