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映画「天気の子」

観てきました。予想してた悪い方でした。

あまりにもひどい。

面白いかつまらないかという意味でもひどいし、倫理観、価値観という意味でもひどい。
論理的にも感情的にもひどい。
かっこいいか、かっこ悪いかという方面でジャッジしてもひどい。

全否定です。

いま観た直後ですが、45分ぐらいはノンストップでダメ出しできます。

賛否両論が「面白い、か、面白くない、か」で巻き起こるならしょうもなすぎやろ、と思ってましたが、そちらのタイプでした。

エンドクレジットというのは、その映画を作った人たちの名前が流れるわけですね。
面白い映画を観た後は、あー、こんな凄いものをこういう人びとが作り出したのだなあ、とシビれながらエンドクレジットを観るのですけど
こーゆーひどい映画を観た後は、なんか容疑者とか犯人の一覧みたくみえてしまいます。

われわれ全員のミスです、どうもすみませんでした、一同。

みたいな。

エンドクレジットの最後は

監督 新海誠

でした。

もちろん監督は表面的には最大の責任者であろうが、この責任を負うとは。。
エンターテイメントを創造するとは、なんと残酷で恐ろしいことなんだろう。

あ、アニメーション表現、映像が美しかった、という褒め方はあるのかもしれませんね。自分はそのあたりの知識も無く感性が鈍いので、つまらない映画の場合、映像がどうとかまでたどり着きません。

ただ面白いだけではなく、

と新海誠は語った。この「ただ」に、この映画の姿勢すべてが凝縮していると思う。
ただ、の後には、その話者が軽視していること、甘くみていることが来る。新海誠は「面白い」ということがどれだけ大変か、どれほど重いかを理解できてない。

主人公は劇中で
「ただ、彼女にもう一度あいたい、だけ」
などとホザく

それがどれほど大それた願いであるのか、この主人公も監督も理解してない。
会いたい人にもう一度会う。
それがどれほどの重みをもつのか、を理解してない。実感してない。

主人公が、

「神さま、僕らに何も足さず、何も引かないで、ください」

みたいな願いを口にするシーンがある。

これが、火の鳥が与える永遠の命ほどの、あまりにもでかい願いだと、主人公も監督も理解できてない。
ささやかな小さな願いだと勘違いしている。

そもそもこの映画の中で、論理的には、彼女を損ない、彼女を奪うものは神である。ではなぜその敵対する存在である神に願うのか。神の力の前に人はなすすべもない、とこうべを垂れるお話なのか。

違う。神にひれ伏して赦しを乞う話なら、

「僕らが世界の形を変えてしまった」

などというふざけたセリフは出てこない。

主人公も監督も、自分たちが何と対峙し、何と戦っているのかを理解していない。設定すらまともに出来ていない、思いつきのごっこ遊びでしかない。

監督の言う賛否両論、というのは、主人公の選択への賛否を想定しているのだろうが、全く話にならない。

彼らの選択の是非を語るためには、前提としての準備が杜撰すぎる。

神田は、あんなアホみたいに杜撰な設定のゴジラをやたら褒めて、天気の子に愚痴ってるとか、変よな
と思うかもしれないが。

ドハティは頭が狂っていて、ゴジラは神、という前提を一ミリも崩していない。神であるゴジラの前に、小賢しい理屈はいらねえ、ということなので、あれはあれでいいのです。

新海誠は頭狂ってないから、小賢しさに頼る。主人公に結核患者の前でタバコを吸わせる、という宮崎駿みたいな演出はできない。

今回の映画では、序盤に主人公(16)が、ビールをすすめられて「未成年だから」と断るシーンがある。あのあたりで私の心はこの映画から離れた。
コンプライアンス?
はあ?
なら描くな。描くなら飲ませろ。
家出して島を飛び出して歌舞伎町に潜り込んだ少年が、「未成年だから」という理由でビール断るはずねーだろ。

というね、こういうのがあと7000個ぐらいあるけど、まあ今日はこのへんにしといたるわ。

なんかの被害者なのか?お前が怒るのは筋違いやろ。という意見もわからなくはないけれど。2500円で購入した体験なので、少しくらいいいやろ。

※追記コメント
あ、君の名は。、はめっちゃ好きです笑
3回ぐらい観にいきました。

この映画の別の感想として、白石晃士ファンは「コワすぎ!」という傑作シリーズを思い出したことだと思う笑
晴れ女
を探すのではなく
口裂け女

カッパ
を探しに行けば良かったのや。
タイトルは「口裂けの子」になるけど。それで良い。


主人公、ヒロインの声優は2000人を超えるオーディションで選ばれたそうですが
それはわかるとして
その姿勢でいくなら、本田翼はどーゆーことやねん。
どーゆーオーディションで何を根拠に声優やらせてるのか、マジで謎。
やってることがガタガタやろ。

あと、君の名はからそうなんやけど
「女性の性的魅力はおっぱい一択」と決めつけるのまじでやめてほしい。新海誠がおっぱい大好きならまだ許せるのだけど「どうせ観客のキミらが一番エロを感じるのはおっぱいなんでしょ」と決めつけるられてるようで不快。
アンケートしたらそうなのかもしれないが、そんなしょうもないマーケティング映画つくんなよな。
たぶん、そこよな、いろんな表現の端々に「一般論はこうだよね」という薄っぺらさを感じる。

自分にしか見えてない世界を自分の言葉で語れよ。
その意味ではたぶん新海誠の君の名は以前の方がマシだ。狭いとこに届ける作品でいい。

新海誠は、お笑いで言うところのリットン調査団でいいのや。
わずかなコアファン以外には知られなくていい。
リットン調査団が、あの芸風のままメジャーになるはずない。
そこにビジネスチャンスを見出しメジャー化したのが川村元気で前作はその表現の狭さと広さのバランスが素晴らしかった。
リットン調査団をメジャー化したなら、その後の責任とれよ、というね。
新海誠はリットン調査団説。

ヒロインのチョーカー切れる表現、マジ洒落くせえ

悪いヤツのネックレスはドクロ
バカか

警官が逃げてるやつに「待て、止まれ」て言うな
警官が大変な時に「大変だぁ」っていうな
警察は粛々と仕事しろ

k&a
けいちゃんとあすか
バカか

思い出しながらグチを垂れ流す、の巻

歌舞伎町の超リアル描写は、ワシらの世代だと「哭きの竜」を思い出すなあ。
マンガなのに歌舞伎町そのものだったよね、街並みが。

歌舞伎町を超リアル描写する場合は能條純一に挨拶してからやな。

昨日思い出してまたイラッとしたんですが
主人公が拳銃見つけて「おもちゃ…だよね」
ホストが拳銃見て「おもちゃ…だろ」
なんでおんなじ反応やねんというね。
今の時代、映画の中で拳銃でてきたとき「どうせおもちゃだろ」とセリフで言わせるやつは有罪、実刑でいいや。
反射的に脚本書いてるからこうなるのや。

[2019.07.21 facebookから]

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