見出し画像

<東京編> 合格力から考える、おすすめの中学・高校

先日、高校の合格力について全国的に分析しました↓

今回はその中から、東京について、どの中学・どの高校がおすすめなのかを考えてみたいと思います。

画像1

< 中学受験か、高校受験か >
東京都においては、学校選びにおいて選択肢がいくつか考えられます。

① [中学受験]難関私立(開成・桜蔭など)
② [中学受験]国立(筑波附属・学芸大附属など)
③ [中学受験]中高一貫公立(小石川・桜修館など)
④ [高校受験]都立高校(日比谷・国立・西など)

①・② 難関私立中・国立中について
合格力の上位をみると、中高6年一貫の私立・国立で占められています。
最も学力の高い層は、やはり小学生の段階で中学受験を選択し、上位の私立、国立の中学校に入学しているようです。

しかし、私立最上位校合格というのは非常に狭き門です。

東大に合格するよりも、開成中や桜蔭中に合格するほうが数倍難しいと思われます。特に、筑駒・開成・桜蔭については別格と考えたほうが良い気もします。つまり、そういう学校はごく一部の選ばれたものが行く学校と、いったん選択肢から除外して考える、ということです。

そして、学力にもよりますが、男子であれば世田谷学園、攻玉社、芝、城北、巣鴨、まで。女子であれば、鴎友学園女子、頌栄女子学院、吉祥女子、白百合学園まで。という感じで下限を決め、それ以下の合格力の中学を受験するよりは、高校での都立高受験を考えたほうが良いのかと思われます。
(中学で中途半端な私立一貫校に入ってしまうデメリット、というものもあります。途中で抜けられないため)

どうしても、私立一貫校のメリット、というものばかりに目が行きがちですが、単にカリキュラムを早回しするだけの学校も多く、ついていけない場合のフォローなどが弱いときには、公立中に行っていたほうが幸せだった、ということにもなりかねません。

小6段階である程度の学力まで準備できない場合は、あせらず高校受験に回ったほうが得策かと思われます。

③ 中高一貫公立校について
都内には11の中高一貫公立校があり、どの中学も倍率は非常に高いものとなっています。昔と比べると落ち着きましたが、小石川で5.10倍、桜修館で5.73倍と、かんたんに入れるものではありません。ではそれに見合う大学合格実績を出しているかというと、いまいちぱっとしませんね。
私立中受験のようなつめこみでは対応できない「適性検査型」入試、とうたって実施しているわけですが、やはり算数などの高度な学力が求められることは間違いなく、そういうきびしい入試で選抜しているわりには、そこまでの実績は出せていないかなと。

小石川の現在の校長は「難関大の進学実績を出すことが目的の学校じゃない」といっているそうですが、このような倍率をくぐってきた生徒たちを預かっているわけですから、他のことに力をいれながらも、結果的に難関大の進学実績ぐらいは軽々と出せてほしいとも思います。
日比谷、国立、西、という都立高校と比べると一枚も二枚も実績は落ち、わざわざ中学から通わせる意味を感じられません。(高校受験のプレッシャーから解放される、という考え方もありますが、高校合格に向けての中3の猛勉強というのは、それはそれで力がつくものなのです)

まだまだ公立一貫校は試行錯誤の日々なんじゃないかな、という気がします。(6年間でどういう教育をするか、というメソッドの部分で今はまだ伝統ある私立一貫校には勝てないのだと思います)

④ 都立高校について
TOP3校が抜きん出て合格力が高いです。
日比谷が目立ちますが、国立・西についても、他県の県立TOP校よりも上でして、この3校は、東京1~3位というよりすべてTOP校と考えて良いかと思います。3校は地理的にも、千代田区、杉並区、国立市と、ちょうど東京を東西に横断するように配置されており、それぞれの地域の中で、中学受験で私立に吸収されなかった層のうち、一番学力の高い生徒たちが進学する高校と言えるでしょう。

公立校ですから、3校とも、高校の勉強は高校から始めるわけですが、しっかりと大学合格実績を出せています。
都立高校の復権、というものが言われてから10余年、公立といえば自由放任、という考えを改め、真剣に生徒に接触し、学力を伸ばす教育をし続けた結果なんだろうなと。

開成、桜蔭という超TOP校にはかなわないものの、全国的に見てそうとうレベルの高い公立高校なのだと思います。
ですので、金銭面のメリットもありますが、最もおすすめなのは都立高校受験なのかなあ、と思います。

中学で、小石川、両国、桜修館などの公立一貫校に入学できる層は、3年待てばおそらく日比谷、西、国立に合格できます。そっちのほうが変に一貫校にいくよりも良いんじゃないでしょうか。

< まとめ >

合格力をながめてみて、東京・近隣県で私がおすすめの学校は、
[男子]渋幕・渋渋・聖光・栄光
[女子]渋幕・渋渋
[共通]日比谷・西・国立(高校受験)

私立はまず、渋幕、渋渋

この私立2校は姉妹校なんですが、現代の入試に適応した成功のメソッドをもってそうですね。単に学力が高い人を集めているだけじゃない気がします。
海外の大学への合格も多く、「東大の合格出すだけの学校とちゃいまっせ」という格好よさがあります。
女子の中学受験の選択肢としても、渋幕は桜蔭と同じかそれ以上の人気校のようですね。
たしかに、よくわからないお嬢様女子校よりは、渋幕や渋渋への進学のほうが良いのかも知れません。

また、男子であれば麻布、武蔵、という御三家よりも、ちょっと通学に時間がかかりますが、聖光、栄光といった横浜の男子校を選ぶのもよいかもしれません。品川からだと1時間かからずに着きますので、住んでいる地域によっては選択肢に入ると思います。

そして、上位の私立中に行けない場合は、切り替えて高校受験に向かうのがおすすめです。
もちろん中学受験はスルーして、(お金を一切かけずに)高校入試に向かうのも賢明な手だと思います。

たとえTOPの都立高に行けなくても、中堅までの都立高はみな強いです。
ですから、都立高校入試に集中する、というのはコスパのいい方法のように思えます。


さいごに、偏差値のわりに実績だせてないな、と思える高校をいくつか。
[国立]学芸大附属、お茶の水女子附属
[私立]雙葉・広尾学園・栄東(埼玉)
[公立]小石川(中)

もちろん、合格力というのは、「総合的にみて」ですので、こういう学校に入ると失敗する、というわけではありません。ただ、優秀な生徒をあつめているわりに、出口がそんなに、だな、という気はします。

また、早稲田中(合格力48)は合格力が低く見えますが、生徒の半数は早稲田大に推薦で進学し、その実績は抜いてありますので、そうとう優秀だと思いますね。単純に倍ぐらいの価値はあります。東大にいけなくても早稲田は保証される、ってのは魅力でしょうね。

いわゆる御三家、の中でも武蔵や雙葉の凋落、というのは何年も言われていることでして、このように他の私立や都立が伸びてきているいま、いったいどうすればいいか模索しているんだろうと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?