「トイ・ストーリー4」吹替版
たいして期待してなかったからか、ぶっ刺さった。
レゴムービーを思わせるような高い隠喩性。
開始5分で「仕事を取るか恋愛をとるか」みたいな、もっと抽象化して言うならば「自分の幸せを選ぶか、他者の幸せを選ぶか」みたいな誰もが必ずぶつかるだろう選択肢を突きつけてくる。
その時点で子どもだけを対象とした映画でないことは明白。
物語の道中でも、他者から必要とされ、他者を喜ばせ、それを役割として生きること、というような、現実の世界と強くリンクした問いかけが続いていく。
そして、そういう死ぬほど頭がいい人らが、すさまじく高度な計算をして構築した物語にもかかわらず、生々しい肉の部分、ハートの部分を失っていない。
持ち主のために忠誠をつくすおもちゃたちは、いわば正規雇用、会社勤めともとれる。
また、自由気ままに生きる「野良」のおもちゃたちはフリーターの投影だろうか。
自分自身、正規雇用だったり、バイトだったりをウロウロしながら生きてきた。何者になりたいのか、なるべきなのか、なれるのか。
そういう問いがグルグルと頭をめぐった。
何が正しく、何が間違っている、と断罪することなく、問いを問いとして暖かく抱きしめる映画でした。
ラストにむけてずっと泣いてたけど、最後の最後で久しぶりに映画館で嗚咽した。
レイトショーでほとんど人がいなくて助かった。
[2020.09.02 facebookから]
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