ライティング すぐに使えるキャッチコピー【7つの型】

文章を読んでもらうには、最初に目にする「タイトル」「キャッチコピー」が重要だと前回お話ししました。
文章(コピー)を読んで、さらに行動してもらうために、キャッチコピーが存在ます。

有り難いことに、既に効果的な広告はテスト・検証され、使い続けられている「型」がいくつもあります。始めは、とにかくそういった型に当てはめて、そして何十、何百ととにかく作ってみましょう。テストを行い実際の反応を確認しながら最適化できれば文句なしです。

では、ここで代表的な7つのコピーの型をみていきましょう。

1. ピアノコピー

”私がピアノの前に座るとみんなが笑った。
でも弾き始めると!”

(原文)
”They laughed when I sat down at the piano, but when I started to play..."

 伝説のコピーライター、ジョン・ケープルズが書いた音楽学校の通信講座に勧誘するための広告コピーです。書かれたのは1920年代。コピーライティングの世界で使われ続ける傑作中の傑作です。ポイントは「ギャップ」「逆境」「逆転」です。

人間心理を利用し、読み手の興味心をぐっと引き付けます。
基本形は「ダメで弱い主人公。でもじつは、、、」という展開です。弱い者の見事な逆転劇。人間はこういった予想外の展開を最後まで読まずにはいられません。実生活でもこういう経験、1つや2つはあるのではないでしょうか?

<ピアノコピーを使った実例>

”私がウェイターにフランス語で話しかけられると、みんなニヤニヤして見ていました。でもフランス語で返事をすると、今度はあっけにとられたのです” (フランス語の通信教育の広告)

”たった2ヶ月でこのカラダ”(RIZAP広告)

2. 間違いコピー

「○○」でこんな間違いをしていませんか?
*○○には、何かしらのリスクを抱える日常的な行動を入れる

読み手に「恐怖」や「不安」を与え、どうすれば、その恐怖を取り除くことができるのかを訴求します。「このままではまずいですよ」と恐怖心を扇動する深層心理をあやつるテクニックですが、強すぎる恐怖心を煽るのはNGです!なぜかというと、人間は度を超えた恐怖心を感じると、本能的に記憶を消してしまう、という反応をするからです。

使い方をあやまらず、効果的に使っている事例です。

<間違いコピーを使った実例>

”あなたは英語学習でこんな間違いしていませんか?”(英会話教材)

”年収1,000万円以上の個人事業主へ
税務調査は、ある日突然やってきますが その確定申告で、本当に大丈夫でしょうか?” (税理士事務所の広告)

3. なぜコピー

なぜ、○○で○○なのか?
*○○には、【意外性の高い要素】+ 【具体的なベネフィット】を入れる

世の中にはこの型を使ったタイトルが溢れています。
最初、意外性の高い要素や、多くの人が日々疑問に思う「なぜ」を、そして後半は読み手の「得」になることを明記することで、読み手の好奇心をそそります。例も沢山あるので、アマゾンや本屋なので、タイトルを意識して本を探しみるのも面白いです。

<なぜコピーを使った実例-本のタイトル>

”なぜ、あのお店はいつも「常連さん」でいっぱいなのか?”
”仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか”
”さおだけ屋はなぜ潰れないのか?”
”なぜ、あのひとは「お金」にも「時間」にも余裕があるのか?”
”稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか?”

4. するなコピー

○○するな!
○○しないでください
*【業界の常識】+【するな】
*【ターゲットが興味を持っていること】+【まだするな】

禁止されるほどやってみたくなる心理現象「カリギュラ効果」を使ったコピーです。「絶対に○○しないでください」と言われたら、ついやってしまいたくなる。そんな心理現象を指すします。

日本人であれば誰でも知っている『鶴の恩返し』があります。このお話しもカリギュラ効果が潜んでいます。娘は夜になると「絶対にこの扉を開けないでください」とお爺さんとお婆さんに忠告しますが、とうとう我慢しきれずに部屋の扉を開けてしまう。。。

「絶対に開けてはならない」と言われてしまうと、ストレスを感じてしまい、それを克服するために強い欲求が湧き上がり禁止されたことを破ってしまうのです。そういった効果を使うコピーです。

<するなコピーを使った実例>

”「R16指定」中学生は決して読まないでください”
”バカとつき合うな”
”大往生したけりゃ医者とかかわるな”
”効きすぎるので活用厳禁!?”
”閲覧禁止”

5. 不完全コピー

○○した結果。。。
*【ザイガニック効果の高い要素】+した結果
*想像できる内容だとクリック率が下がるので注意

「人は完成されたものより、未完のものの方が印象に残りやすく、興味を引かれてしまう傾向がある」というのがザイガニック効果です。

よくあるのが、『続きはCMの後で!』的なテレビの演出です。
『この後、とんでもない展開が待ち受ける!』
『突如現れた男に一同騒然!一体どうなってしまうのか!?』
こんなテロップなどで、釘付けになった経験はないでしょうか?

自分の脳に「いったいどうなるんだろう?」と質問したために、脳が答えを探し始めるのですが、脳が答えを知っているはずがありません。そのため、答え知るためには(情報の空白を埋めるためには)、コピーやテレビの続きを見るしかなくなるのです。

<するなコピーを使った実例>

”2日間虫だけ食って生活した結果。。。”
”1ヶ月昼飯肉まん6個食べ続けた結果。。。”

6. NGコピー

○○でNGな行動
絶対ダメ!○○

*【ザイガニック効果の高い要素】+した結果
*想像できる内容だとクリック率が下がるので注意

行動心理学の専門用語「人は何かを得るよりも、失うことのほうが怖い」という「プロペクト理論」を利用しています。

痛み(損失)は、快楽(利得)の実に、2~2.5倍の影響の大きさがある、という、行動経済学者のダニエル・カーネマン氏(Daniel Kahneman)と、心理学者のエイモス・トヴェルスキー氏(Amos Tversky)によって提唱されました。

成功論を語るより、失敗談を語った方が読み手の興味を引くのも、この心理です。

<NGコピーを使った実例>

”欧米人が嫌がるNGな4つの行動”(英会話系)
”「ごめん、無理!」と男が引く痛コーデ。40代女性閲覧注意な5大NGファッション"(OTONA SALONE)

7. 教えてコピー

【不利な状況】ですが【テーマ+ベネフィット】を教えてください!

不利な状況から脱却させることを思わせる「天と地のギャップ」の要素も入っています。最初のピアノコピーとおなじ、ギャップの要素がいろいろな形で人間の心理に関わっていることがわかります。

ポイントは権威性の高い人を起用できるかどうか。やはり実績のある人に実例や証明を交えて語るコンテンツを用意できるかもキーになります。

<教えてコピーを使った実例>

”難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください”
”難しいことはわかりませんが、英語が話せる方法を教えてください”

まとめ 

でうでしょう?改めて言われると、普段の生活の中で知らずに見聞きしている「型」が多いと気づくのではないでしょうか?

とにかく、優秀なコピーは絶対に使わせていただきましょう。大事なのはそのまま使うのではなく、アイデアを拝借する、ということ。なにしろ、効果が既に実証されているので、それを再利用した方が効果的なのです。

以上の7つを意識的に使うだけでも、相当なバリエーションが生まれます。
家族や友達、会社の人などとのコミュニケーションでも使って反応をテストしてみるのもいいかもしれません。

では本日はこのあたりで!

 



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