見出し画像

もうそろそろ本気で「送料無料」を止めないか?

僕は長い間ネットショッピングサイトを運営している会社で働いています。

そんな僕、ずーっと、違和感のある(むしろ嘘だと感じる。)言葉があります。

そう。「送料無料」です。

ネットショップを利用するときよく目にする、「送料無料」の文字。

「送料無料?」

「そんな訳、ある訳ないじゃん。」って。

「販売業者も配送業者もボランティアじゃないですから。」って。


送料は無料でなく、販売業者が負担している訳も無く、当たり前の話ですが、購入者が支払った代金の中に含まれてるってことです。

支払総額の内訳は、【商品本体の原価+ECモールへの手数料+販売業者の利益+配送業者へお支払いする送料】ですよね。(※一部この法則が当てはまらない販売業者もいると思いますが、たいていの場合こうなっているというお話です。)

だから正しくは、「送料無料」ではなく、「送料込み」や「送料購入者負担」が正しいんです。

そもそも、販売業者が「送料無料」と謳っていたり、ECモールが「送料無料」という言葉を容認していること自体が問題大ありだと思っています。

(もー、ほんとに「送料無料」って言葉が嫌いです。)


そんなの当たり前って方も多くいらっしゃると思いますが、レビューなどを見てると、

「送料無料でこの値段。高いと思います。」(いやいや、送料含めての購入代金ですよ。)とか、

「送料無料でトクしました。」(送料はご自身でお支払いしてますからトクはしてませんよ。)とか、

「送料無料がありがたいです。」(いやー、送料含めての購入代金なんで、感謝されても・・・。)とか、

「送料無料でこの品質、最高です。」(素直にゴメンナサイ。でも満足して頂けて良かったです。)とか、

たくさんの「送料無料」という言葉が飛び交っています。

完全に誤認です。(消費者庁さん、ずーっと長い間この状態ですよ。)

そのたび、心がチクリと痛みます。


「送料別」に関しては、とてもフェアなことだと思います。例えば、東京から北海道や沖縄への送料と、東京から関東圏までの送料はそれぞれの距離や荷物の大きさや重さで違うことが当たり前だと思います。

ただ、全国一律送料は、近くに住めば住むほど、遠くに住む人の送料を負担しているという意味では、近くに住む人は損をしています。フェアではないと思います。

販売業者も配送業者も企業ですから、利益を生む為にあらゆる努力をします。販売業者は、許されたルールのもと、価格競争や広告争奪戦を争い、利益を追求します。配送業者は、荷物を大量に出荷してくれる販売業者に対して割引を提示し、他の配送業者に顧客(販売業者)を取られないようにします。

すべては購入者からお支払い頂いたお金で賄われていることになります。

ポイントやクーポンなどの利用もまた、原資は販売業者やECモールから出ていますが、巡り廻れば購入者からお支払い頂いたお金で賄われています。


*


もちろんですが、商品は生産者や製造者が作り出します。それを卸売業者が購入し(または販売業者が直接購入)、卸売業者から販売業者が購入し、ECモールで販売し、配送業者の手を経て、購入者に商品が届けられます。

各ステップを踏むたび、都度手数料が上乗せされ、販売価格が決定します。その販売価格で購入するのは、購入者(あなたや僕)です。

価格競争に巻き込まれ、ポイントやクーポンが発行されることで、いろいろなお金のやり取りが発生し、結局のところ、生産者や製造者が負担を受けたり、損をする場面を多く見ます。作り出す者より販売する者の方が優位に立つことが多々あります。

そして、順に上に富が集まり、一番トクをするのは、楽〇市〇、ヤ〇ーショッ〇ング、〇mazon、その他たくさんのECモールです。

もちろんそれに見合う便利なサービスを各ECモールは提供していると思います。僕もこのサービスの恩恵を受けている消費者のひとりですが、同時にこの状況を非常に憂いています。

作り出す者が一番トクをする世界が健全であり、正しいと思っています。


ECモールを否定している訳ではありません。全国どこにいても(一部例外はありますが)、誰もが同じように様々なサービスを享受できるこの時代は素晴らしいと思います。

ただ、その仕組みを変化させたいと思っています。

ECモールや販売業者ではなく、商品を作り出す者が一番トクをする、

その仕組みを構築することをここに小さな声で宣言します。

(どんな仕組みかは、いつかきっと説明します。「良質な商品を本当に欲しいと思ったお客様に適正価格で販売する。」「ポイントやクーポンは無し。」「送料はお客様ご負担。」を3つの柱にします。)


*


皆さんにお願いしたいことがあります。

とっても便利なECモールですが、そこで買い物をする前に、生産者や製造者のことを思い出してみて下さい。

ちょっとだけでもいいです。生産者や製造者が独自に運営しているサイトはないか確認してみて下さい。

もしかするとそのサイトでは、クーポンの発行も、ポイントも無いかもしれません。送料も負担しなくちゃいけないかもしれません。

だけどもしそのサイトを訪れ、生産者や製造者のファンになったら、応援したいと思えたら、そのサイトを利用してみて下さい。

それは直接的な支援に他なりません。

信念を持ってこだわって作り出したその商品を、生産したり製造したりした人は、もしかすると、あなたの家族や友人かもしれません。

それが出来たら、嬉しいと思いませんか?



noteの中で出会えたこと、読んで頂けたこと感謝します。駄文だと感じたら、ゴメンナサイ。何か感じるモノがあったら、「スキ」をポチしてあげて下さい。次も読んでみたいと思えたら、「コメント」を書いてあげて下さい。「サポート」してくれたら、あなたのための文章を書かせてあげて下さい。