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【あつ森型フリースクール】非日常と退屈の狭間で
子育てにおいて、一番むずかしいのは「どこまでやってあげるべきなのか」のライン設定。
当然うまくできないし、思い通りにならないことも多い。自分のやり方とは違うためにイライラしてしまうこともある。
そんなことから「実際にお世話をしなかったらどうなるのだろうか?」と実験をしてみたのが今回のフリースクール。
ありとあらゆる「お世話」を可視化し、それら一つ一つにポイントを支払って利用してもらうスタイルをとった。
1人の日もあったり、たくさんの子どもがやってきた日もあった。
一番多いときでは同時に7人もやってくることに。
環境が変われば、人が変わる。
6/12〜21の10日間はまさにそんな日々だった。
あつ森型フリースクールのルール
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このフリースクールのルールは特にない。そのために何をやっても問題はない。
しかし、サービスの提供者と受容者、あるいはクエストの依頼主と引受人という関係だけがそこにあった。
各種ごはんにはポイントがかかり、布団で寝ることも、自分が使った食器を洗ってもらうことも、散らかしたものを片付けてもらうことも何もかもポイントがかかってくる。
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最初はテントで寝せようかなとも思ったけど、梅雨であることを考慮して室内に寝袋とマットを引いて寝てもらうことにした。
自分で買い物をして、自分で料理を作って、自分で食器を洗う。一人暮らしをしていれば当たり前のことは僕からは何もしないことを基本とした。
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しかし、個人的にチャレンジしてもらいたいことや稼ぎ方として体験してもらいたいことにはこちらからポイントを払い、してもらうことにした。
公園にいる子どもに声をかけて一緒に遊ぶ。AIをフルに使って入試問題に取り組んでもらう。1人で電車でどこかに出かけてもらうなどなど。
自分の得意なことやストレスなくできるミッションにチャレンジをして、お世話の必要なことには助けを借りる。
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そんなスタイルにした。
フリースクールでやったこと①昔のゲームで遊ぶ
小学生、モンハンワールドの最初のティガレックス枠のリオレイアに苦戦してたようなので、交代して討伐。
— 北@4月から塾始めます。 (@seizogakuen) June 13, 2024
「ギリギリで回避しつつゲージを溜めて叩き込みつつチクチク戦う」のをやってたら「昔の戦い方だ」と言われた。
今、太刀にカウンターとかあるのか。
俺も立派なモンハンおじいちゃん。 pic.twitter.com/GETbyLtBHM
まず目についたのは、スマブラにモンスターハンターなど昔からあるのに今でも最新作が出ているゲームで遊ぶこと。
つい最近、500円でWiiを購入したのと、PS3とPS4がこの家にはあったので、それをやってみることにしたようだ。
やったのはスマブラX(をベースにしたPM)と戦国無双4と三國無双7とモンハンアイスボーン。
スマブラや無双はたまに一緒にやっていた。
知っているゲームではあるものの、自分が使っているハードと違うことから操作に苦戦。しかし、徐々に慣れたようで、それなりに動かして遊べるようになっていた。
もちろん1日何時間までとかは特に決めてはなかったものの、面白いことに3日ほどでゲームには飽きてしまったようだった。
無双 → アクションが単純なため飽きやすい
スマブラ → 格ゲーかつパーティーゲームなため人と一緒にやったりモチベーションが高くないと面白くない
モンハン → 操作が難しいし、時間がかかる
話として盛り上がったのはモンハンで、僕自身モンスターハンターは14年ほどプレイをしていないため、戦い方にかなり違いがあったようで驚かれた。
フリースクールでやったこと②食材買い出し&食事作り
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もともと知り合いの子を10日間預かる約束をしたことから始まった本企画だが、その子が最も多くのポイントをゲットしたのが食事に関わることだった。
お米を炊いたら300PAC、食材を自分のお金で買い出しすれば500PAC、自分で食事をつくれたら500PAC(1日1回のみ)とひたすら自炊をすることで期間中にかかるポイントを減らすことに成功していたのだ。
しかし、あえて栄養バランスについて一切口に出さなかった結果、彼の作った料理はかなり混沌を極めていた。
特に印象的だったのが鳥こしょう焼きそば。
もやし・鶏むね肉・焼きそば麺を炒めて、こしょうのみで味付けした食べ物。調味料はレンタルできるようにしていたが、どうやらこしょう以外の調味料を使わなかったらしい。
彼の感想は「食えんことはない」。食べきった後の感想は「これは食べる拷問だった」と。
(一応、お米の炊き方と味噌汁の作り方を教えていたが、どうやら面倒くさいということになったらしい。しかし、米は欠かさずに炊いてくれていた。)
なお、買い出しは徒歩10分のスーパーを通り過ぎて、あえて徒歩30分くらいのスーパーまで一緒に歩いたが、それが面白かったようでもう一人の子が来た際には彼を誘って買い出しに出かけていた。
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その他、ペペロンチーノやカルボナーラなどの簡単なパスタ料理の作り方も教えた。一度も実践したところは見たことないけど。
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フリースクールでやったこと③草刈り
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「え?俺もやろうかな?」
土日だけ預かることになった子どもに「今こんな感じで生活してるんだ」と言ってみたところ、興味を持ったようで一緒に2日間この生活にチャレンジすることになった。
そんな彼が最も愛していた仕事はまさかの草刈り。
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「これ刈ってもいい?」とうちにある様々な雑草を刈り取り、最終的に1人でゴミ袋6袋を集め、我が家から雑草が消えた。
福岡から1人でうちの最寄駅までやってきてついて早々に草刈りを開始していたので、「かなりハングリー精神に溢れたキッズだな」と思ってはいたものの、その後に意味もなく田畑を耕していたあたり、草を集めたり土に触れたりするのがかなり好きだったようだ。
なお、もとから来ていた子は蚊に刺されることを嫌がって草刈りを一切やらなかったが、彼が誘うと袋一つ集めてきてくれていた。
その他、近所の古墳に連れて行ったり
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フリースクールでやったこと④子どもたちだけでお出かけ
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しかも難波。晩御飯のタイミングには帰って来るように言ったものの、思いの外遠くまで行っていたようだった。
8日目に仲の良い中学1年生が来て、彼と一緒にカードショップを巡ったとのこと。
二人とも18きっぷ遠足に参加してくれた子たちではあるものの、もうそんなに電車慣れしているのがとてもおもしろい。
1年前は切符の買い方もよくわからず、ダイヤの調べ方もわからなかったことを考えるとかなりの成長を感じた。
フリースクールでやったこと⑤AI塾のお試し体験&AIをフル活用して入試問題にトライ。
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「ChatGPT兄貴すごい!!!」
そう言ったのも束の間。ミッションで「奨学金試験に合格せよ!」があったが、こちらに関してはかなり苦戦したようだった。
ルールとしてはとある中学入試の問題をどんな手段を使ってもいいから80点以上を取ること。
塾生たちにChatGPTの基本的な使い方を教えてもらいながら、課題にChatGPTを取り入れてもらう。
面白いことに、簡単な使い方を教えたら英語と社会は簡単に解けていたが、算数についてはそもそも解き方がわかるものが多く、計算ミスで撃沈していた。
子どもたちを観察する中で、「テストでAIや電卓が使えたようになったとしても、そもそも見た瞬間に諦めるようなタイプの子たちは満点を取ることができない」ことがよくわかったため、AI塾で問題に取り組んでもらった際には一緒に糸口を探すような指導の仕方をしていた。もう普通の算数教室じゃんとか言わない。
ドラえもんみたいに勝手に喋りだすAIでなければ、AIが先生に置き換わるのは難しそうだなと思った。
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合計10人くらいの人がこの期間我が家を訪れた。日帰りの人もいれば、泊まりの人もいて、そこにいるメンバーによってやることが大きく変わっていたのが面白かった。
文字通り、環境が変わればやることは変わったようで、ゲームを殆どやらない日が結構あったのも面白い。
ゲームをたくさんしているのは、単純にゲームよりも面白いことがないからだし、そのゲームに飽きた途端にやることを自分から探すようになり始める。
他の人がいれば、その子達に影響されて何か新しいことを始めてみることになる。
どうやら、「環境を変える」は子どもたちにも有効であるらしい。
大変に興味深いシーンが多かったので、また来年もやってみたいなと思った。
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最後まで読んでくださってありがとうございました! サポートもらえると、テンション上がって更新ペースが上がるかもしれません。