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トラウマは遺伝する


先日、メッセージ上で異常な怒られ方をした。

対話は拒否され、こちらの何もかも一切否定してくるようなタイプだったので大変に心苦しい日々が続いているが、おかげでいろいろな気づきがあった。

その一つが「トラウマは遺伝する」ということ。
前提として、子育ては全く常識に縛られていない子供に対してコミュニケーションをとり続けなければいけない。

そのため、良くも悪くも自分(親)のトラウマのキッカケとなる瞬間に出会うことも多い。

「子供はこうしたい。しかし、世の中はこう。」

子供はこうしたがっている。しかし、世の中はこうで、彼の意向は受け入れ難い。

そんなときにどのようにコミュニケーションを取ればいいのだろう。
と、なったときにだいたい先人(つまるところ自分の親や先生)の方針を引き継ぎ、子供にそれをやってしまう。子供の時の自分がどうして欲しかったのかを忘れたままに。

社会は人と人とのつながりでできているから、ある程度周りに合わせる必要はあるかもしれない。しかし、現代の日本においてはある程度コミュニティの選択の自由が許されていので、その社会が気に入らなければ別の「社会」に乗り換えてしまえばいい。

しかし、子供にはそれが難しい。選択肢があったとしても、その決定を下すのは親なのだ。なので、親が議論できる状態でなかったり、議論の仕方を知らない場合にはだいたい詰む。ちなみにそれができる親は親ガチャでいうところのSSR。

毒親の遺伝

親というものはなってみないとわからない割に、そのロールモデルは過去の自分の親に縛られがちだ。

仮に自分の親がいわゆる毒親であった場合、本人は「あの親のようになるものか!」となるかもしれないが、「あの親」が自分に与えてくれた愛も含めて否定してしまう。

故に自分から子育ての選択肢を大幅に狭めてしまうために、結果として思うように子育てをうまく進められず、ストレス過多になり、子供に愛情を注げない状態になり、自ら毒親の道に進んでしまう。
子供が叱られたときに「ママに怒られた」と言うのはそういうところからだろう。

思いっきり怒れば言うことを聞かせられる。それはクレーマーと同じ発想でしかないため、その場はおさまっても後々いろいろな障害を生んでしまう。
特に、他人に言うことを聞かせる手段が対話ではなく怒ることしか知らない人は子供にも怒り続けてしまう。

人は恐怖では支配できない。


「支配されたフリ」をして内心復讐の機会をうかがわれているか、別の場所の弱いものを恐怖で支配することでその心の傷をいやそうとするだけ。毒親に育てられたかつての自分がそうだったように。(幸い、我が家はSR両親だったので、僕自身のそういうトラウマは学校由来or九州の風土由来が多い)

ただ、トラウマは残る。話を聞いてもらえなかったこと。まともに相手してもらえなかったこと。自分否定の嵐が過ぎ去るまで耐え続けなければならなかったこと。そのトラウマは人間の魂を歪ませてしまう。

余裕のない社会が毒親を産む

社会という猿山に暮らす私たちはボスに従うかボスになるかのどちらかになる。残念ながら、だいたいのコミュニティにボスザルは1人しかいない。他人にマウントをとることでしか生きられなかった人はボスに締められた可哀想な猿のうちの1人にすぎない。

世の中そんな人ばかりなので、大変にストレスが溜まりやすい。福岡にいたときから所属するコミュニティを変えるカードを使っていたが、東京に出て、自分のコミュニティをつくることを覚え、僕自身は比較的以前よりもそのストレスから逃れることができるようになったが。

子育ては自分のトラウマと向き合う絶好の機会であるが、残念なことに現在の日本では子育てのストレスが半端ない。周りはこんなのだし、育児はだいたいワンオペだし、共働きであれば仕事のストレスも容赦無く押し寄せてくる。

主体性と親との信頼関係の強さは比例する

人間は強いストレスに晒されると正常な判断を下せなくなってしまう。なので意識的にストレスから解放される時間が必要であるため、その確保のためにパートナーや周りの人、そして子供自身にSOSを出すとよいだろう。

塾講師時代も含めこれまで1000人以上の子供を観察してきたであろう僕的に、家事をテキパキできる子供を見ていると、親との信頼関係が強かったり、そのように意図的に「放ってもらえた」人が多い。

そういう子供とは本当の意味でのお友達になっている気がするし、実際面白いことをドンドンやらかしてくれるので、一緒にいて楽しい人が多い。


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人間歳をとっただけでは成長しないように、子供が生まれたからといってすぐに親になるわけでもない。親である前に1人の人間。「普通の親はこうなのに!」は破滅の始まりで、「良い母親だったらこう!」までくると病気の一歩手前だ。

結局のところ、大事なことは目の前のトラブルや自分自身に向き合ってきた数が成長を決めているので、子育てもそうしていくしかない。
ただ、これは大変に体力と気力のいる仕事なので、「なんか最近自分怒っているな?」と思ったらしっかり休んで自分と向き合う時間をとることがオススメされる。

恐怖で支配されたことで流されてしまったかつての自分の感情は自分の子供を通して自分のところに帰ってくる。

それを次の代に流していくか、それとも自分たちの代で止めるか。
親になる前に、親になったときに勇気を持って、強く乗り越えていきたい。

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