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プロレス&マーケティング第46戦 猪木IGFが天下を取れなかった理由。

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:なぜ、猪木の団体IGFが中途半端に終わったのか、昨日の英国スーパーの考察をヒントに考える。

DNAには勝てない

昨日、ロンドンのスーパーが続々セルフレジ廃止の動きを見せていることを報じました。

この動きのさなか、ブース(Booth)というスーパーが面白いことを言っています。

「お客様をロンドン北西部に伝わる温かいおもてなしで喜ばせることは、我々のDNAの一部なのです」

ニューヨーク・タイムズWeekly2023年11月26日号のSaying goodbye to self-checkouts, and hello to human workers(セルフレジにさよなら、店員対応レジにこんにちは)より

DNAと来たら、やはりプロレスファンとしては、イノキ・ゲノム・フェデレーション(IGF)を思い出さずにはおれないですよね。(笑)

https://qr1.jp/rVePZY

遺伝情報を担う物質がDNAで、DNAのすべての遺伝子情報がゲノムと呼ばれるものです。

まあゲノムとは平たく言えばDNAで、イノキ・ゲノム・フェデレーションとは、猪木の遺伝子を汲んだプロレス・格闘技団体というわけですね。

アントニオ猪木はなくなりました、しかし、猪木の最晩年、IGFはすでに活動を停止していました。

今もその復活の動きは見えません。

要するにIGFは、ビジネスとして、プロレス団体として成功しなかったのです。

それはなぜか、僕は前述の英国のスーパー、ブースの宣言「客を喜ばせることが、ブースというスーパーのDNA」というがその答えだと思います。

ブースの店内。https://ameblo.jp/wellbeing-seed/entry-12363036920.html

DNAに合わないことはやるな

ブースのこの宣言は、逆に言えば「DNAにそわないことはやるな」という金言です。

それはDNAとは何か、を考えてみるとよくわかるでしょう。

DNAとは何でしょうか。

遺伝子のことです。

あなたも私も、人間はすべて遺伝子の影響を受けています。

これは逃れられない現実であり、人間はすべてDNAに支配されているのです。

企業にも、DNAはあります。

もちろん生物学的なものではなく、それは企業に根付いた伝統とか文化、哲学のことです。

ブースというスーパーは、今回反省をしたのです。

それは、他社がセルフレジをやるから、自分たちもやる、とそれにならったことです。

しかし、考えてみればセルフレジは一見便利だけれど、同社の哲学や文化である「お客を喜ばせること」にマイナスを及ぼす行為でした。

ブースのDNAがこれに激しく反発したのです。

全日本プロレスがなぜダメなのか

たまに忘れちゃうんですよねえ、僕がじじいになっただけじゃないと思うんですよ、全日本プロレスのエースって誰だっけか。

宮、宮島だったか、いや違うな、そうだ宮原だ、宮原健斗だった、という具合です。

宮原健斗 https://qr1.jp/gn10Wu

全日本プロレスがダメだ、というわけじゃあないんです。

青柳優馬もいるし、諏訪魔もいるし・・えっ、諏訪魔はノアかぁ?

あぁ、迷っている迷ってる・・・

でも、プロレスに少し詳しい僕がこんなんだから、世間にはもっと伝わってませんよね。

これって、全日本プロレスのDNAと、今の全日本プロレス所属選手のDNAが違うからではないでしょうか。

全日本プロレスのDNAは、「激しく楽しい王道プロレス」でしょ。

言葉を変えると、ジャイアント馬場が好きだった「大型でプロレスの王道を表現できるファイト」ということですよね。

そういう意味では、違いますよね、やっぱり。

猪木のDNAはすでにない新日本プロレス

ノアの遺伝子は、三沢光晴です。

https://qr1.jp/iUUSAe

ノアはかろうじて、三沢のDNAを引いていると言えるでしょう。

DDTは、かつてDDTのアイデンティティといわれた、飯伏幸太ではないでしょうか。

https://qr1.jp/xDs2g4

自由で、プロレスを無限に開いているイメージです。

飯伏が新日本プロレスを去った理由は、やはりDNAの違いに求められるのではないでしょうか。

しかし、その新日本プロレスには、もはや猪木のゲノムはありません。

それがいいとか、悪いとかの問題ではなくて。

結論として、今日僕が言いたいのは、個人にせよ、組織にせよ、DNAとは言わないまでも、魂の底からの叫び、というのはあるはずなんですよ。

なにかに突き動かされるかのごとくの、熱情、美意識、揺るがない価値観。

それに忠実であれ、ってことです。

どんなに生成AIとやらをみんなが使っても、あなたの、貴社の魂がそれをよいとしなければ、使ってはなりません。

使っても、うまく行かないでしょう。

ロンドンのスーパー、ブースのようにね。

プロレスも、団体の価値観と選手のそれが合致した時、最高のパフォーマンスが生まれるのではないでしょうか。

野呂 一郎
清和大学教授


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