世界選挙の今年は、暗黒時代の幕開けか。
この記事を読んであなたが得られるかも知れない利益:今年は世界で選挙の年、何十億の人々が投票するが、結果は大混乱になるのは見えてる。これは確実な予言だ。ソーシャルメディアとAIのせいだ。
トランプ再選の信ぴょう性
トランプが勝った2016年の大統領選挙、盛んに言われてたのがロシアの選挙介入だ。
その時は「いくらなんでもそんなことはないだろ」と思っていたけれど、今考えると「やっぱりそうか」と思うよね。
他国の選挙結果を左右できるのか、そのときは疑問だったけれど、今考えると簡単だ。
ロシアいや北朝鮮でもイランでもいい、国がバックについてフェア・イレクション・アンドプライド(Fair Election and Pride公正な選挙とプライド。筆者が勝手につけた名前)などという架空サイトを立ち上げ、あることないことそこで議論すればいい。
議論?はは、冗談だよ、本物の議論じゃないよもちろん、AIに作らせるのさ。
インターネットの時代は他国からサイバースペースにだっていくらだって入れるんだから。
でもIT通のあなたは批判するだろう。
「グーグルだって、X(旧ツイッター)だって、youtubeだって、今はニセ情報にうるさい、各社選挙の年だからもうすでに「気をつけてます」なんて言っている。
そう安々とフェイクサイトがニセ情報をばらまけないに決まってるだろ?」と。
それは嘘だ。
インターネット各社はそう言ってはいるけれど、実際ニセ情報は増える一方で、インディペンデント(independent独立弱小)のニセ情報を流す選挙サイトは雨後の筍のごとく増えていて、実際はもぐらたたきの様相で、駆除が追いつかないんだ。
いや、そもそもソーシャルメディア各社は、はなからやる気はないのさ。
それならば、どの陣営もフェイクニュースサイトを立ち上げるんだから、みんな平等じゃないか、と言われるかもしれない。
でも、ロシアのような国家権力をバックにした勢力がいたらどうなる。
それが一番選挙に影響力があることは、目に見えている。
今頃、2016年にロシアがトランプを援護射撃したのが、本当であることがわかったという人がいる。
それはトランプが今しきりに「ウクライナ支援をやめろ」と言っていることが、その証拠だというわけだ。
トランプ再選は、今回もロシアによってもたらされるのだろうか。
悪vs善は悪が勝つ
ニューヨーク・タイムズWeekly2024年2月4日号は、トップ記事でElection and disinformation are on a collision course in 2024(2024年選挙はこのままだとニセ情報で大混乱になる)と題して、オンライン上のガゼ情報の洪水で民主主義の基本である選挙が崩壊すると「予言」している。
プロレスでもそうだが、善と悪の対決では善が不利だ。
悪はかさにかかって攻め込んで、善は防戦一方、そんな展開が普通だ。
ニューヨーク・タイムズは善は欧米民主主義陣営、悪は北朝鮮、イラン、ロシア、中国と決めつけ、かの国々が独立に、また結束して、今年の世界の選挙で妨害工作をしてくるのは目に見えている、という。
アメリカがいま国家分裂の度合いを強くしているのは、間違いなくここ数年のインターネットによるdisinformation(ニセ情報)のバラマキにある。
ディープステート(ワシントン以外の米を動かす政府の存在)だの、Qアノン(極右の陰謀論集団)だのの言説もそれだ。
今年は民主主義の崩壊の始まり
だって何が事実か、わからなくなっちゃっているもの。
ニセ情報が溢れかえって、本当にその人が言った言葉なのか、みんな眉につばをつけるようになってしまった。
AIの発達がニセ情報の生成を簡単にしてるし、事実を容易にひん曲げてしまってるし。
世界の選挙でそんなインチキが行われるのを前にして、大手ソーシャルメディア各社は積極的に防御する姿勢がないどころか、選挙対策チームを減員しているんだよ。
トランプvsバイデンはまた揉めるよ、「選挙は不正だ!」とかいい出すよ、いや、その前にロシアが勝たせるか。
とにかく2年前の、トランプの「選挙を盗んだ」とかいう根拠のないクレームが、民主主義への信頼を揺るがしたんだ。
ガチでトランプは民主主義崩壊の引き金を引いた。
問題はそれがわからないアメリカ人ではないはずなのに、政治家がアメリカの労働者層の切実な不平等感、疎外感に答えてないからなんだ。
だからまたトランプに行ってしまう。
最後に、ニューヨーク・タイムズのこんな主張を紹介したい。
選挙こそ民主主義の根本であり孵卵器なのに、それが機能しなくなりつつあり、このニューヨーク・タイムズの懸念をますますリアルなものにしてしまっている。
ソーシャルメディアというテクノロジーが、民主主義の首を絞めている。
野呂 一郎
清和大学教授
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