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あなたのワンちゃんに学ぶ長寿の秘密

この記事を読んであなたが得られるかも知れない利益:
あなたの可愛いワンちゃんを見て、ご自身の長生きのヒントを得られるかも知れないこと。

さて、今日は2回目のワクチンを受けてきました。アメリカのアフガン問題を語ろうかなと思っていたんですが、ぐったりして(笑)あきらめ、こんな話題にたどり着きました。ちょっと医薬的な話だから共時性かな。

”100歳時代”への素朴な疑問

最近もライフスパン(でしたっけ)、というタイトルの本の影響か、100歳時代が来るから、長生きのライフスタイルの準備をしなさい、という風潮というか、勧めをよく聞きますよね。

でも、僕の周りはみんな80前後でなくなっています。本当かよ、という感じなんですが、BusinessWeekを読んでいたらちょっとその謎が解けたような気がするんです。

2021年5月31日のこの記事は、「どうしたらあなたの愛犬を長生きさせられるか」という記事なんです(Best friends forever 犬はひとの永遠のベストフレンド)。

いまシリコンバレーでは、技術の開発が飽和状態で、人を長生きさせる技術の開発にフォーカスがあたっているというんです。でも後述する理由で、それは簡単にはできません。まず、犬を長生きさせることが先決なのだとか。

なぜ、犬かというと、人間の寿命を伸ばす研究っていうのは、年月がかかるのです。例えば平均80でなくなるならば、110歳まで待たなくてはなりませんよね。

なぜ、人間を長生きさせる発明がでないのか

製薬会社はそんな時間のかかる臨床実験に本格投資するのは、及び腰だと言うんですね。犬だったら、2,3年長生きしたという臨床データが、やり方によっては出ます。それで犬の寿命延長の試みが行われているというんです。

人間の新寿命100歳云々も、製薬会社の臨床実験という観点からは、嘘っぱちとは言わないけれど、この記事を見る限り、強いエビデンスはないといっていいと思います。

犬が人間の長寿のカギを握っている

さて、この記事の主人公はオックスフォード大学で神経科学の博士課程で学んでいた、26歳のセリーナ・ハリオア(Celina Halioua)さんです。

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彼女はセリュラー・ロンジビティ(Cellular Longevity Inc.)というスタートアップを設立し、犬を使って犬の寿命を伸ばす臨床実験を行っています。

ペットの寿命を伸ばしたい飼い主さんは結構いるので、臨床実験の協力も得られ、実際にアンチエイジングの効果の期待できる化合物を2022年に発表する計画です。最終的には、犬の臨床実験で得られた知見を、人間に応用できればということです。

 先ほど、人間が長生きすることが、寿命を伸ばす薬を開発するネックになるという話をしましたが、犬に対しての実験は結構昔から行われているそうです。

ここ数年間で、3万犬(けん)がワンちゃん・エイジング・プロジェクト(Dog Aging Project)に参加しています。

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これはれっきとした、米Natinanal Institute of Healthが後援するアカデミックな研究開発プロジェクトでもあります。これは遺伝的、環境的要因が犬の寿命にどんな影響を与えているかを突き止める実験なのです。

長寿からガンまで効く?


仮説として今でているのは、カロリー制限で2,3年犬が長生きするかも知れないというのです。カロリー制限の効果はこれだけではなく、がんの進行を遅らせ、悪性の骨の病気も抑えられる、というのです。

これを人間に応用するにはハードルもありますが、すでにこれは応用されている気もしますね。実際に人間に応用することが決まっている実験もあります。

それは、仮説で長寿効果が導き出された化合物を、200犬(けん)に服用させて、実験するというプロジェクトです。この実験が成功したら、臓器移植にアレルギーがある人間に使う、というのです。

マウスを使うことの是非

もちろん、人間の寿命を伸ばすことに限りませんが、臨床実験はマウスを使うことが相場です。しかし、世間はそれが人間に本当に効くのか、と懐疑的です。

犬ならば、細胞の組成などの点で調和性があり、またマウスと違って可愛いのでいろいろな観察が精緻にできるという点でも、その実験結果は、マウスのそれよりも説得力があるというのです。

犬の寿命を伸ばす実験は、普通の状態で一緒に生活する中で、長生きを把握できますよね。

だけれど、マウスだと若いマウスじゃなくてはならない、繁殖させなければならない、病気別に寿命を調べなくてはならないので、意図的にマウスを病気にしなくてはなりません。マウス実験に比べて大きな前進だというのです。

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この記事の経営学的な意味としては、以下です。

・人間が実験結果だけ欲しくて、無理くり人工的な環境を作って、科学的に出したデータよりも、自然な環境で人間が無理なく観察して得た結果のほうが、信頼性がある
・臨床実験的には、まだ人間の平均寿命が伸びているというエビデンスはない。製薬会社はこの実験の投資を嫌がるのが理由だ。それとアメリカのFDA(Food and Drug Administration米食品医薬品局)も長寿というエビデンスが必要な薬は興味がないから、世間が納得できるエビデンスはほとんどないはず。

・自分でやってみよう。あなたのワンちゃんに一定期間特殊なエクササイズをやってもらうとか、健康的な食事をあげるとか。もちろん獣医さんの監修の上で。

今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

明日またお目にかかりましょう。

                             野呂 一郎


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