コロナ禍にみる反面教師としての日本の政治家
リーダーシップ不在のコロナ・ニッポン
東京の感染者が4058人過去最高を更新、などとコロナ禍は最悪の状況を呈している。この中でつくづく思うのが、あの方を見ればわかるように、日本のリーダーシップのお粗末さだ。
高校生の諸君に言いたい。日本はね、誰もリーダーシップなんて教えてくれないし、教わるところもないんだ。
キミたち高校生のカリキュラムにリーダーシップなんてあるかい?あれば、政治家たちももう少しまともなはずだ。それにしてもあの人はひどすぎると思わないか。
でも、それは個人のせいじゃないんだよ、リーダーシップ教育が日本にないせいだ。
高校生のキミは、まずは反面教師から学ぶのがいいと思う。「ああやっちゃダメなんだな」といちいち、悪しきリーダーの行動をチェックし、自分ならこうする、と決意することだ。
あとは、勉強するしかない。リーダーになって、リーダーをやりながら勉強するしかない。
もちろん、リーダーシップを説いた本なんてごまんとあるし、リーダーシップの研究者もたくさんいる。だから、キミはリーダーはこうあるべきという考え方でいいと思う。
この連載も高校生のキミがリーダーになる手助けをするというコンセプトで書いているから、一つのリーダー論ではある。
しかし、目の前の我々のリーダーを見ると、話す、という基本ができてない、そういう教育がないんだなあ、と痛感する。今日はリーダーの話し方について、所見を述べたい。
反面教師としての日本のリーダー
1. 誠実でない
日本の政治家に共通する姿勢は。誠実でないことだ。
記者たちの厳しい追求にも笑顔と余裕で答える、なんて政治家はいない。某政治家のように、切れたり、暴言を吐いたりなどというのは、人としての未熟さをあらわにしているだけだ。
誠実であるとは、聞く態度にこそ表れる。記者会見で、相手の話に誠実に耳を傾ける政治家は日本ではほぼゼロだ。誠実さは、言葉にも態度にも表れる。西村経済再生大臣は、表向きの言葉と態度はいい。しかし実際やっていることは不誠実極まりない。言葉と態度、そして実行を含めて誠実でなければならない。
質問に答えないあのやり方も、もちろん、誠実原則に大きく外れる。
「感染対策をどうするつもりですか」
「老人の感染率は低いです」
これは3でやろう。
2. 原稿を見て話す
原稿棒読み。これがどれだけ多いか。欧米でそんなことをしたら、一発でバカにされる。
自分の言葉を自分の口で発しない人は、無能であり、聞く相手をバカにしているととられる。
なぜ、日本のリーダーは、原稿を見てしか話せないのか。
それは、口頭でスピーチするとか、演説するとか、説得するとかの訓練をまったく受けてないからだ。
ジェスチャーを使って、プロップ(道具)を使ってなど、様々な技法を、欧米人ならば学校生活のどこかで訓練を受けている。
そして、言葉に対して重きを置かない文化というのがあると思う。察しだとか、以心伝心などの文化を高コンテキスト文化という。
これはコミュニケーションの授業でのABCなのだが、そもそも日本にはコミュニケーションの授業というのがない。
3. 質問に答えない
「感染対策をどうするつもりですか」
「老人の感染率は低いです」
これ式のやりとりで平気なのだ。質問に答えていない。具体的なことを言わない。これは逃げのコミュニケーション、いやコミュニケーションではないよ。
これは英語の訓練ができてないからだ。英語のハートはwhy-becauseだ。なぜですか? ・・だからです、と必ず質問に呼応する。日本人リーダーはこれを外す。通訳つけていてもwhy-becauseが出てきていれば尊敬される。とにかく、世界じゃ通用しない。
4. 相手の目を見て話さない
しっかりテレビ画面の国民の目を見て話す政治家はいないね。記者の質問に対し、質問者の目を見て話す政治家もいない。
欧米では目と目を合わせるのが、誠実なやりとりの基本だ。これをeyeball to eyeball目玉から目玉へ、と表現する。
別に欧米じゃなくても、相手の目を見て話すことは、誠実さをつたえる重要なサインだ。
相手の目を見て話さない人は、「あなたは私にとって重要ではありませんよ」と言っているのと同じ、だ。
5. 準備不足
あらゆる成功をもたらすのは、準備だ。話すこともその例にもれない。
仮に嘘を言って騙すための準備にしたって、周到に関係者とリハーサルをやる必要がある。それを毎回準備の時間がないのにやらなくてはならない。体力と集中力が必要だろう。体力気力もリーダーの条件だ。
6. 書く力の不足
話すためには、まず自分で言うべきことを書くことが必要だ。短いスピーチならともかく、3分くらいの中身のある話なら、まず自分で原稿を創る必要がある。しかし、書けないのだ。書けないとは、論理ができてない証拠なのだ。
まあ、他に言えばきりがないのだが、高校生のキミにはまず、書くことをすすめたい。noteを今からやれば、論理の練習になるよ。
それぞれについて、また後で補足をするつもりだが、とりあえず今日はここまでとしよう。
今日も最後まで読んでくれてありがとう。
それじゃあ、また明日。
野呂 一郎
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