![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/114445083/rectangle_large_type_2_a934f409f4c24dbc59ac2c9a31d9a7cd.png?width=1200)
中国キャッシュレス社会に思ったこと
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:中国キャッシュレス社会の現実。デジタルの浸透に見る中国の明日。ひょっとして社会制度や文化の違いが、経済の差を生み出しているとしたら、皮肉だなという感想。トップ画はhttps://qr1.jp/gRCqOK
クレジットカードが使えない中国
1週間の旅程だったので、行きの成田空港で両替をする時、「なんか買う時はクレジットカードで大丈夫だろうから、いらないかな」と思いつつも、万が一を考えて1万円を中国元に替えておきました。
結局、それは正しい意思決定だったのです。
日本のクレジットカードは、ホテルですら使えなかったのです。
中国人が日本に来ると中国のクレジットカードで買い物ができるのに、逆はなぜできないのでしょうか。
そもそも、今回の旅行、ビザが必要だということにも、驚かされました。
ビザが必要で、クレジットカードも使えない、このことは中国経済にはマイナスのはずですが、政治的な理由があるのでしょう。
キャッシュレスが当たり前の中国
しかし、観光地の売店などでジュースやおみやげをキャッシュで買おうとすると、露骨に嫌な顔をされます。
みなQRコードにスマホをかざす式で、もしくはお店の人がリーダーでスマホのバーコードを読み込む形で、買い物をしています。
![](https://assets.st-note.com/img/1693045371362-gbJjY0Fxo8.png)
今回は団体旅行だったので、団体でお土産を買うときには、我々のお世話をしてくれる通訳の方々の配慮で、特別に現金専用の列を作って対応してもらい、事なきを得ました。
いうまでもなく、商売する方にとってみれば、手数料を払ってもキャッシュレスの利便性のほうがはるかに勝ることは、火を見るより明らかです。
聞いてはいたけれど、でもこれをほぼ国民全体が、やってることには驚かされました。
国民の行動を統一できる国家の強みに、ほかなりません。
自販機で右往左往
帰国の飛行機を待つ搭乗口、荷物検査でミネラルウォーターを取り上げられ、喉がカラカラ、自販機を見つけて長い列に並びました。
タッチパネルを押しても、どこにもお金を入れるスロットが見つかりません。皆さん並んでいるので、一度外して、中国の方がどうやるかを観察の上、再チャレンジしました。
![](https://assets.st-note.com/img/1693045872059-444EncM3QZ.png)
でも、誰も現金を使っている人はいないようです。
キャッシュカードとかPayPayみたいなものを使うのでもなく、WeChatというラインのようなシステムで自分のID番号みたいなものを入力し、WeChatが入ったスマホをかざして、コーラやジュースを買っているのです。
再び僕の番が来ましたが、キャッシュのスロットがやはり見当たりません。
親切な後ろの女性がトライしてくれましたがダメで、その時に横から「No Cash!」の声が。
中国で始めて聞いた英語でしたが、それは強くそして冷たい響きで僕に中国の現実を訴えかけてきました。
なあるほど、中国では公共の場では、コーラでさえも現金で買えないのです。
民主主義が経済の足を引っ張る皮肉
スマホとそれに紐づくマイナンバーみたいなものが、生活のデフォルトなんですね。
このデジタル社会が、中国をしてアメリカを急速に追い上げさせている原動力なのかもしれない、そう強く感じた次第です。
マイナンバーカードを巡って反対論が巻き起こり、なかなか国民背番号制度のようなシステムは制度化しません。
ある意味、民主主義がそのことを防げている、とも言えます。
完全キャッシュレスにならないのは、現金に対しての根強い信仰があるせいです。
デジタルマネーや暗号資産といった目に見えないものに対しての、アレルギーが日本社会にはあります。
民主主義、日本特有の文化や価値観、そうしたものが日中経済の差を広げたのかな、そんな思いを強くした今回の中国行きでした。
野呂 一郎
清和大学教授
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?