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理想の人物像

私には、抽象的ではあるけれども、こんな佇まいの人になりたいという姿がある。

中学2年生の時の担任が、数学の先生だった。
その担任の先生が大学時代、学んでいた先生が居られて、その頃の話を、私は14歳当時から40歳を過ぎた今まで、良いなと思っている。

やっぱり、こんな佇まいでなくて良いやという思考や感覚に浮気する事もなく、一途に。

担任の先生の先生は、自宅に学生らを招く事もあったようで。

教え子が居ても関係なく、帰宅すると、まずキッチンに向かい、牛乳をコップ1杯。
それを持ち、いつものソファへ。

まっさらな白い紙に、鉛筆でさらさらさらと、数式を書き、計算を始める。

その間、無言。
弟子達も無言。

計算が完了すると、数式で埋め尽くされた紙を、はらりと弟子達の方へ提示して一言。

「どうだね、美しいだろう?」

やっぱり良い。
書いていて良い。
今なお、良い。
この間、バッハが部屋に流れていたら最高だ。

こんなニュアンスの人になりたい。
こんなカラーを持っていたい。
その情熱は、14歳の時から、一心不乱に熱を帯び、今も私の心の中に宿り続ける。

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忘れられない先生

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