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大らかな時代の、大物監督たちの“パクリ”エピソード。

パクリ上等

あなたの「灰とダイヤモンド」は、
オーソン・ウェルズの「市民ケーン」のパクリですね。


アンジェイ・ワイダ監督が来日した際の空港記者会見で、
映画評論家の山田宏一さんが行った質問です
(だいぶ前の『TOKYO SPEAKEASY』)。

ホイチョイ・プロダクションズの馬場康夫さんが、
その次に挙げるエピソードと共に紹介していました。
実際この質問は、通訳に数度、無視されるのですが、
フランス語ができた山田さんは、通訳越しに
フランス語で、この質問を試みるのです。
そこで何と返ってきた返事が、

「そ~なんだよ、これが分かるヤツがいるのか!」
という驚きの感想と笑み。
「つぎはクロード・ルルーシュでいこうと思ってるんだ」
というオマケ付きの回答だったそうです。

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パクリはトレーラーのなかで

リドリー・スコット監督は、
「ブラック・レイン」の撮影で煮詰まると
専用トレーラーでウイリアム・フリードキンの
「フレンチ・コネクション」を観ていたといいます。
出演していた高倉健さんがそれを知って理由を訊くと、
「過去30年で一番いい刑事ドラマだから」と言われたので、
「それ、パクリじゃないですか」と投げかけたら、

「これ、超えりゃあいいんだろ」と言ったとか。

番組では、あらゆる作品は、
過去に監督が観た作品の影響を受けないことはあり得ない、
という発言もありました。

フランス語の「homage(オマージュ)」は
「尊敬」や「敬意」を意味し、
リスペクトする作品をモチーフにした新作を制作する行為を指します。
もちろん杓子定規な考え方もあるでしょうが、

この二人の大監督のリアクションが、たまらなく好きなのです。


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