見出し画像

仙北市の本庁舎移転について

住民説明会に参加

さて、先日、仙北市が開催する庁舎機能の移転・集約に関する住民説明会に参加してきました。

私が住む仙北市では角館・西木・田沢湖の3箇所に分かれた庁舎を角館に統合するという案が出ています。

移住先である秋田県仙北市で今一番の話題ではないでしょうか。

将来に関わることなのでログを残そうと思いました。

仙北市最大の課題は人口減少

仙北市は着々と人口減少が進んでいます。
仙北市の合併直後と現在の人口について比較してみました。

  • 2005年9月30日時点  32,637人    1世帯あたり3人

  • 2023年8月31日時点  23,664人 1世帯あたり2人
    合併当時よりも人口が8,973人減少しています。
    (出典:人口と世帯数の推移

世帯数は合計424世帯減っていました。アパートや市営住宅等を除いても空き家も相当増えたのでは?

さらに、仙北市の試算によれば、2040年には、16,743人まで減少するそうです。
(出典:仙北市人口ビジョン

人口が減れば当然市役所職員の数も減ります。
仙北市では3つの庁舎に分かれています。
このまま職員だけが減ってしまえば、それぞれの庁舎がスカスカになってしまうかもしれません。

人口が減れば当然、税収も減ります。
庁舎をまとめるならいつやるの?今でしょ!と市役所の皆様も考えたのではないでしょうか。

私の意見

説明会を聞いて私は今回の移転案に賛成です。
移転について今すぐにでも取り組む必要があるメリットが3点あると感じました。

【メリット1】連携強化・費用負担が減る

角館町、西木村・田沢湖町の自治体が合併して生まれたのが、現在の仙北市です。

それぞれあった庁舎が現在は主に、以下のような部署に分かれています。
(※一部割愛しております。)

庁舎ごとに分かれている部署

  • 角館庁舎:主に、子育て、建設、農業、商工・観光に関する部署

  • 西木庁舎:主に、教育・学校に関する部署

  • 田沢湖町:主に、税務、会計、防災、総務、まちづくりに関する部署

機能が庁舎毎に分散しております。
細かい業務は知りませんが、「子育てと教育」「観光とまちづくり」「建設と防災」など本来であれば連携すべきでは?と思われる部署が別々の庁舎になっています。

各庁舎ごとの距離と移動時間

■角館庁舎
 |
 8.2km(車で約12分)
 |
■西木庁舎
 |
 20.2km (車で約24分)
 |
■田沢湖庁舎

本来なら合併した際に一つの本庁舎にまとめれば良かったのでしょうけど、当時は色々と大人の事情があったのでしょうね。

庁舎をまとめるメリット

庁舎を一つにまとめることで以下のメリットが生まれます。

  • 交通費・通信費をはじめとするコスト削減。

  • 各部署が物理的に近くなることによる連携強化。

  • 分庁舎の維持コストや職場環境の整備に繋がる。

  • 災害などの緊急対応時のコミュニケーションがスムーズに進む。

庁舎ではなくとも出張所で十分賄える

西木・田沢湖では庁舎がなくなることについて不安を感じる人は少なくないようです。自分達の城がなくなるような気持ちもあるようですが、住民サービスへの不安はあると思います。

20年以上出張所を使ってきた感想

実際には出張所が開設されますし、それほど心配はしておりません。
私も東京に住んでいた頃は本庁舎よりも出張所が近かったので出張所を利用しておりましたが、全く困ったことはありませんでした。住民個人に関する納税・転居・転入・婚姻・離婚・死亡に関する手続きは出張所でも賄えます。

【メリット2】庁舎の老朽化問題の解消

本庁舎移転の背景には、各庁舎の老朽化問題があります。
新庁舎に移転すれば、老朽化問題への負担は軽減できます。

角館庁舎は2020年12月に建て替えたばかり。
一方で残り2箇所は以下のような状態だそうです。

  • 田沢湖庁舎:51年経過

  • 西木庁舎:49年経過

公共施設の耐用年数は概ね50年だそうです。
耐震補強を施した場合は15年延長できるそうです。

職場環境が最悪

田沢湖庁舎は耐震補強が施されているそうですが、蛇口から出る水はサビが入っていて飲めないという問題も抱えているそうです。ちなみに、毎朝一階のボイラー室からソフト新光の4リットルの空き容器に汲んで使っているそうです。

今年ウォシュレットがようやく各階のトイレに一機づつ設備されましたが、市長室前の2階のトイレは配管が古すぎて詰まるため使用不可になっていて、修理もできないようです。

エレベーターもありません。車椅子を利用されている方は大変です。
私は中学3年生の頃に車椅子の友達が居て、毎回階段の上り下りを手伝っていました。毎回誰かがサポートできたので良かったのですが、そうでなければ大変です。

ちなみに西木庁舎は耐震補強工事は行なっておりません。

事情を聞いていると、吉幾三さんの「俺ら東京さ行ぐだ」のメロディがよぎってきました。

【メリット3】合併特例債を使えば実質負担は1/3に減る!

3点目のメリットは合併特例債が使えること!

庁舎を建てるお金はどうするの?という根本的な課題が浮かび上がってきます。そこで解決策として挙げられたのが、合併特例債の使用です。

1/3で済むならお得じゃないか!!

国が補助する合併特例債を使えば費用負担は通常の約1/3で済むそうです。
庁舎を建て替えるといっても新しい土地を買い付けするのではなく、病院の跡地を使用するそうです。市の試算によれば、実質負担予定額は6.7億とのこと。都会だとありえないくらいの安さ。

合併特例債には、有効期限があり合併初年度を含む10か年度に限られていましたが、東日本大震災の影響を鑑み使用期限が延長されています。ネットで検索すると、「令和7年度まで活用期間を延長しています。」をいう文章を各自治体が記しているのを見かけます。

合併特例債をいつ使うの?今でしょ!

今後について

実行に移すためには、市民の理解と市議会での可決が必要となります。
今回説明会は角館・西木・田沢湖のそれぞれ1回ずつ、合計3回開催されました。地元新聞社の記事によれば、合計約200名が参加されたそうです。
3回出席されていた人もいるので、重複されている方を除くともう少し減ることになります。予想よりも少なく思えました。

私は40代後半ですが、同世代よりも上の世代の参加者が多かったです。
私よりも下の世代は極力少ないように見えました。
これから世代間を超えて議論が深まっていくこととを望んでいます。

さらに、市役所では以下のようなことも取り組む必要があるのではないかと思いました。

  • 庁舎移転・集約をわかりやすく説明するためのWebページを設置。
    (インターネット通販でいうところのランディングページ)

  • 集まった質問への回答はネットでも随時公開する。

  • 説明会で配布する資料はダウンロードできるようにする。

  • わかりやすい動画をYoutubeを始め、SNS等で配信する。

  • 市議会員も含めた公開討論会を開催してYoutube等で配信する。

  • 地元の子供達にも考えてもらう機会を設ける。

民間企業としての取り組み

仙北市の最大の課題である人口減少。
できることに限りはありますが、民間企業の立場から取り組んでいきたいと思っています。

今年から妻と未来に向けたプロジェクトがスタートしています。
来年にも共同事業がスタートします。
現在は今後のロードマップを描いている最中です。

「将来この企業で働きたい!」と思ってくれる若者が増えてくれたり、
仙北市で面白いことやってるなあって思ってくれる企業に成長することを楽しみながら取り組んでいきたいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?