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八ヶ岳の師匠はホリスティック医療のカリスマドクターと不思議な講演会を開く、師匠と天領のヒーラー先生とのお別れ

未来を見に行く冒険 9 一つのステージの終わり

2000年の晩秋、私は天領の町で行われる八ヶ岳の先生の講演会に一人で向かっていました。

八ヶ岳の先生は天領の町のホテルで、ホリスティック医療界のスーパースターのドクターとコラボ講演会です。

ドクターは東大医学部を出て、ホリスティックなアプローチによるがん治療を実践し、設立した病院は一時期末期癌からの生存率が一番高い病院として知られていました、著書も多数あり、TV、雑誌にも出てみえる有名なドクターです。

八ヶ岳の先生はそんな高名なドクターとコラボで講演会ができるんだ、内容もドクターはホリスティックの講演、先生は詩の朗読です。距離がありそうですが果たしてどんなコラボになるのでしょうか。

ホテルのロビーに入ると、結構な人数が来ていました。八ヶ岳の先生のところへ一緒に行った方も来てみえたので近づいて行って挨拶をして立ち話をしていると天領のヒーラー先生がやって来ました。

「先生、こんにちは」

「あっ、どうもまたねー」

と、我々の前を急足で通って行きます、その後をパーティドレスに身を包み、美しくお化粧した10人ほどのオバさまたちが先生を追いかけて行きました、年の頃なら60代、70代でしょうか。

まるでアイドルの追っかけのようにはしゃいで楽しそうでした。

軽く驚いていると、八ヶ岳に一緒に行った方が

「みなさん、ヒーラーの先生に末期癌から救ってもらった方々です」

と、教えてくれました。

なるほどな、命を助けてもらえばファンになるのも頷けます、少々笑えて来ましたが先生のヒーリングはすごいのだと改めて感じるのでした。

病院の医師から末期癌を宣告されて死の恐怖を植え付けられ、未来を閉ざされて、希望のない世界を生きなければならない人が先生と出会ったことで、また未来を見られるところに帰ってくると、こんなに活き活きと弾けられるのかと感心しました。

オバさまたちにとっては、先生は救世主なのでしょう。

ほどなくして、八ヶ岳の先生とドクターの講演会が大広間で始まりました。参加者は200人ほどでしょうか、都会でもない山間の観光地で寒くなった時期にこれだけの参加者がいるのに少し驚きました。

八ヶ岳の先生とドクターは結構な人気者なのだ。

先生の朗読は不思議な感覚を受けます、地球は大きなお母さんで、どんな時も私たちを守っていますという内容の詩の朗読なのですが30分程の時間がまるで別次元になっているようです。

次元が上昇して、先生の声の中に入ってゆくような不思議な感覚がします、さすがトップクラスのアーチストだなあと思いながら周りを見るとみんな泣いていました。

ドクターのホリステック医療の講演も素晴らしいもので、西洋医学を極めた医師がその限界を突破するのに用いたのは東洋医学であり、未知なる力によるヒーリングと身体の波動を上昇させることでした。

さすが誰もなし得ないところへ一人で入って行かれたホリスティック医療の先駆者です。

そして何より素晴らしいのは西洋医療を極めたドクターが八ヶ岳の先生や天領の先生の能力を高く評価していることです、どうやらそこに次の道がありそうです。

講演が終わった後に、お二人にご挨拶にに伺いました。

「先生、ありがとうございました、とても素晴らしかったです」

「あら、ありがとう。こちらドクターの〇〇さん、平安時代に私が清少納言だった時に弟だったの、久しぶりに会えたわ。こちら建築家の〇〇さん」

「始めまして建築家の〇〇です」

「初めまして、先生の弟の〇〇です、よろしくお願いします」


先生の話はいつも時空のバリアーがない、1000年も前のことを昨日のように話されます。

「先生たちが平安時代に姉弟だったら、私は何をしていたのでしょうか」

「あら、あなたは平城京を造っていたでしょう、ホッホッホ」

と、行ってしまいました。

はて、平城京は奈良時代で清少納言は平安時代のような。

時空のない話は楽しい、誰の造った年譜が正しいのか知らないけれど正しい歴史はあの世へゆけばわかるです。先生の話はいつも時空を超えている、さすがです。

その後、一人で車に戻って帰路に着きました。

一緒に来るはずだったガールフレンドはひと月ほど前に私の前からいなくなりました

以前、八ヶ岳の先生のところへ一緒に行った時に、ガールフレンドは私たちの未来について聞きました。

「あなたは前世で彼に酷いことをしたの、それで解くべき課題を得ました。今世はそれを解決して進化するためにこの世に来たの、いいわね耐えなさい、出来るわね」


というガールフレンドにとっては面白いものではありませんでした。


些細なことが運命の流れに引き戻しました、強い意思があったとしても止めることは出来なかったのでしょう。

彼女は先生の言葉に従うことができなくなりました。


自分の意志と運命の流れが合致するわけではなく、むしろ自我が強ければ合わないことの方が多いでしょう、元々自分の意志と運命は別物なのです。

まあ、平たく言えばフラれたということですね。

この世は運命に身を委ねることを体得する場所です、あの世の仕組みを知ってそれに心身を委ねることを実践するところです

これがなかなか難しい。


成功者になるとか、悟りを開くとかよりはるかに難しいです。
この世の成功や肉体を纏った悟りなどはいずれ終わりを持っているのです、それが三次元の限界です。

師匠や先生たちは軸足を違う次元に置いているようです、ですから三次元的不安がまるでないのです。お金の心配や人間関係や死というものもに対する執着も全くありませんでした。

あの世を基準にすれば、すべてはうまく収まるのよと言われているようでした。

ガールフレンドがいなくなったので、八ヶ岳の師匠とも天領の先生とも遭うことは無くなりました、運命は次のステージへ誘うのです。会おうと思えば会えるのでしょうが運命に抗うこともありません、もう会う必要がないのです。


嬉しいとか悲しいとか肉体を持った上での感情は手放すことを促されるのです。


一人で頑張ってね、ということですね。

まあ、末席の弟子でも必要な大変な事態になれば、師匠なり先生から連絡が来るでしょう、そしたらおっとり刀で出かけてゆく覚悟はできています。

はたしてお役に立てるでしょうか?

ガールフレンドとの未来を見にゆく冒険は楽しかった、アフリカからヨーロッパ、カナダにアメリカとこんなにも世界を回るとは思いもしませんでした。

ヒーラーにもなれたし、近未来も垣間見ることもできました。21人のお姫様を救うこともできたし、日本を代表する経営者の信頼する霊能力者に会うこともできた。

とんでもない本物の霊能者とヒーラーに弟子入りもできた、みんなガールフレンドのおかげでした。

私は幸運でした。

ただ、ガールフレンドがいなくなってヒーリングをしてあげる人がいなくなりました、ヒーラーの先生はとびっきりでしたが私が目指しているのは建築家で治療家ではありません。

ガールフレンドなら気楽にヒーリングできるのですが、他人をする気になれないのでもっぱら猫や犬のヒーラーになりました。

「さあこれで大丈夫だよ」

と言うと、グルニャンと頬擦りされて支払いが終わります。

幸せなお代ですね。

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