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スタートアップの資金集めと特許は似ている

【稼ぐ経営者のための知的財産情報】
 
 弁理士の坂岡範穗(さかおかのりお)です。
 今回は、「スタートアップの資金集めと特許は似ている」について書きます。
 
 スタートアップ企業や既存の企業であっても新規事業をするとき、色んな人から資金集めをするためにプレゼンテーションをすることがあります。
 これ、上手く行くと多くの資金が集まって、その後の成長がし易くなります。
 一方、資金が集まらないと現金がショートしてしまい、あえなく倒産という目に遭います。
 
 経営者ならご存じと思いますが、その会社がどれだけ赤字でも現金があれば潰れません。
 しかし、現金がなければ黒字であっても倒産してしまいます。
 
 ということで、スタートアップではどれだけ資金を集められるかが、その後の運命を決める分かれ道になる可能性があります。
 
 では、どうやったら上手く資金調達ができるのでしょうか。
 以下は、私が先生と呼んでいる人の言葉(一部改変と省略あり)です。
 
1.業界の現状
 先ずは業界(又は製品分野)がどうなっているのかをわかりやすく説明します。
 投資家がすべての業界を理解しているわけではないので、小学生でもわかるように説明します。
 
2.業界の課題
 次にその業界が抱えている課題を説明します。
 難しい課題であればあるほど、その会社の価値があがります。
 
3.解決策の提示
 自社ならこのように解決できるという解決策を説明します。
 エビデンスや特許などあると信用性が高まり会社の価値もあがります。
 
4.実績の提示
 解決策をすでに実行し、実績があるならかなりの強みです。
 モニターを募集するなどして最低限の実績を作っておいた方が好ましいです。
 
 これらのこと、弁理士の私から見ると特許によく似ているなと思います。
 
 上記1の「業界の現状」は、特許では「背景技術」といわれるところになります。
 従来の技術にはこんなものがありました、と説明する箇所です。
 
 上記2の「業界の課題」は、特許の世界でも課題といわれますが、書類上は「発明が解決しようとする課題」になります。
 ここでは、従来の技術の課題を説明していきます。
 
 上記3の「解決策の提示」は、特許では「課題を解決するための手段」「発明の効果」「特許請求の範囲」が該当します。
 これらには、課題を解決するために用いられる構成、そしてその作用効果を記載します。
 (「特許請求の範囲」にはあまり作用効果は記載しません。)
 
 上記4の「実績の提示」は、特許では「発明を実施するための形態」「図面」が該当します。
 ここには、いわゆる実施例を記載します。
 
 どうでしょう、特許と似ていますよね。
 つまり、新規事業をするには特許が出せるだけのストーリーというかロジックが必要になるということでしょうか。
 
 勿論、特許とは無縁の新規事業もあると思います。
 しかし、その場合圧倒的なスピード感と物量をもってしかないと、すぐに後発者にシェアを奪われてしまいます。
 これは、例えば数ヶ月の間に、○○なら○○会社というほどの知名度を獲得するということです。
 
 これは中小企業にとっては厳しいですね。
 ということは、やはり特許で自社のサービスを保護しつつ攻めて行く方が楽ですね。
 資金に余裕がなくとも、スタートアップ又は新規事業では先ずは知的財産を考えていくことが大事と考えます。
 
 この記事が御社のご発展に役立つことを願っています。
 
坂岡特許事務所 弁理士 坂岡範穗(さかおかのりお)
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