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<決定版> プロの仕事術 (「THE21」編集部)

(注:本稿は、2012年に初投稿したものの再録です)

 会社の昼休みに覗いた図書館で目についたので読んでみました。
 いわゆる「仕事術」をテーマに、大前研一氏・藤田晋氏ら著名なコンサルタント・起業家など20名の方々のインタビューをまとめたものです。

 タイトルには「仕事術」とありますが、具体的には、「考える技術と書く技術」「話す技術と聞く技術」「最強の営業技術」「最強の勉強術」「採用される人の条件」といった5つのテーマごとに、数人の方々のコメントが紹介されています。
 ちょっと前の本なので、中には、最近ではほとんど表舞台に登場していない方もいますが、流石に今でも存在感のある方々は、いくつかの大切な気づきを与えてくれます。

 まずは、セコム㈱取締役最高顧問飯田亮氏「思考力」について語ったくだりです。

(p14より引用) 思考力というのは、「頭のよさ×集中力×考えた時間」で決まるもの。そのうち、頭のよさや集中力なんてものはそう大差ないから、結局、長い時間考えた人間が勝つんだよ。
 だから私は、「さらにもう五分間、考えてみろ」とよくいうんだ。考えて考えて結論が出たら、普通は「さあできた」と満足してしまう。でもそこで終わらないで、さらにもう五分考えてみる。すると、自分の思考の甘さや矛盾に気づくことが多い。

 こういった「思考の粘り」は確かに大事なことかもしれません。

 そして、次は、SBIホールディングスCEOの北尾吉孝氏による「人材評価」に関するコメントです。
 「才と徳」「胆識」を重んじ人物眼には定評のある北尾氏ですが、時に間違えることもあると言います。

(p174より引用) 「上、下を見るに三年を要す。下、上を見るに三日を要す」という言葉があるように、人は上司のことはわりとすぐわかるのですが、部下を正しく評価することには時間がかかるんです。

 この指摘は、私も重々心しなくてはなりません。
 比較的少ない時間のふれあいの中で一定の評価を求められることがありますが、そこでの間違いを起こさないためには、自己の主観的評価に加えて、適切な他者の多角的な視点からの意見も十分に採り入れる必要があるということです。

 さて、本書ですが、典型的な「成功者」の方々からのお薦めTips本です。 とはいえ、到底真似できないようなスーパーマン的How Toが列挙されているわけではありません。
 何人かの方々が共通して口に出している「成功のための要諦」がありました。それは、
 ・まず、明確な目標を持つこと
 ・そして、その目標を実現するために、実際に行動を起こすこと

とても、自然でシンプルです。



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