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道楽三昧―遊びつづけて八十年 (小沢 昭一/神崎 宣武)

 私が知っている小沢昭一さんは、俳優でありラジオのパーソナリティとしての姿です。小沢さんと永六輔さん野坂昭如さんが一緒に活躍されていたことを薄っすらと記憶しています。

 本書は、民俗学者神崎宣武さんとの対談で、自らの趣味・道楽の歴史を数回にわたって語ったものの書き起こしです。
 テーマは、「虫とり」「べいごま・めんこ・ビー玉」「相撲・野球」「飲む・打つ・買う」「落語」「芝居」「大道芸」「映画」「俳句」「歌」「競馬」「食・釣り・写真」と多種多様。ただ、そこで語られているエピソードはどれも時代を感じさせるものですね。

 しかし、それぞれの道楽(趣味)に対する小沢さんの入れ込みようには圧倒されます。そして、次の道楽に移るときの、そのスパッとした吹っ切り方も見事です。

(p134より引用) 舞台に命を賭けるとか、最期までそれをやりぬくとか、そういう一道を貫くっていう精神が、どうも欠如していて、次から次へと道楽ができるんですね。

 小沢さんは今80歳(2009年時点)とのこと。老成されているかと思えば然に非ず、とても軽やかな語り口は全く衰えていません。
 ユーモア溢れる話し振りのところどころには、小沢さん一流のちょっとしたスパイスが混ぜ込まれています。

(p230より引用) 素人は、専門家を見極める眼力というか、勘みたいなものを養うべきだと思います。ただ、みんながいいと言っている専門家は、それほどでもない場合が多く、地味な専門家というのに、卓越した人がおられるようです。

 ただ、このくだりは、「競馬」に関するお話で登場したものです。小沢さんは競馬評論家の予想に頼って、そこそこ勝ち越したとのこと・・・。



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