ザ・マインドマップ (トニー・ブザン)
「記憶力、創造力、集中力、インスピレーション、考える技術や学習のための技術、または知性や脳のひらめきを強化したいですか?
トニー・ブザンが発明したマインドマップは、「脳のスイスアーミーナイフ」と呼ばれ、教育分野やビジネス分野を中心に、世界中で2億5000万人以上が使っている、単なるノート術にとどまらない革命的な思考ツールです。
マインドマップは、脳のメカニズムに最も適した思考や連想の技術で、単に記憶力や集中力を高めるだけでなく、これからの時代に最も必要とされる創造的思考力が、劇的に覚醒していきます。
欧米のビジネスパーソンにとって、会議やプレゼンテーションでのマインドマップの活用はもはや常識。ビジネスパーソンから、お子さまの知育まで、脳の力を最大限に強化する方法がマインドマップなのです。」
という、華々しい謳い文句につられて読んで見ました。
「マインドマップとは」については、「mindmap.jp」をはじめとしたサイトがあるので、関心のある方はそちらも参考にしていただくとして、以下には、マインドマップ手法についての私の感想を記します。
マインドマップは「放射思考」を可視化したものです。
脳の連想能力・創造力を最大限に活用し、連想を広げていく思考ツールとのことです。
よくある「リスト形式」の思考方法は脳の働きを妨げるといいます。リスト形式は、直線的な情報整理であるのに対し、マインドマップ方式は、「基本アイデア(BOI)」と「階層」という構造で情報を整理します。
確かに、自由な連想に従ってテーマに関連する要素をすべて吐き出し、それをビジュアルに表すことは極めて有効です。
マインドマップという一覧性のある形式は、判断や決定に必要な情報を俯瞰的に可視化させる一つの具体的提案だと思います。
ただ、マインドマップを実際的な思考ツールとして使いこなすのは簡単ではなさそうです。
著者は、「脳の持つ潜在能力」を強調します。
(p56より引用) 放射思考のコンセプトは、脳が持つ無限の情報処理能力と学習能力に基いたものであり、マインドマップは、放射思考を外面化したものである。
実際、脳の情報処理能力は知れば知るほど驚異的です。
著者は、そういった脳の能力発揮が「マインドマップ」によりもたらされると説くのですが、どうもこの本だけでは、私としては十分な「納得感」が得られませんでした。
面白いツールで、活用できるシーンは数多くあると思うので、もう少しロジカルな説明が欲しい気がします。とはいえ、いくら説明を読んだところで、結局は、自分である程度使ってみなくては、自分に合うかどうかも含めその効用の判断はできないでしょう。
本書の中の著者のことばで、最も納得感があったのは、以下のフレーズでした。
(p125より引用) 脳が思考の悪循環に陥っていることを自覚したら、すぐに「はい」か「いいえ」かの決定をするということである。決断をし、実行することは、停滞状態よりも、より実りがあるというのが大原則である。
悩んで決定できないとき、著者は、考えつづけるのではなく、ともかく「決定」することを薦めます。
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