世界の異文化街道を行く (窪田 寛)
著者の窪田寛氏は、製薬会社在職中に長年にわたる海外勤務を経験されました。その後、退職されてからも海外で活動されたのですが、その体験談をエッセイとしてまとめ出版されたのが本書です。
内容は、言葉とコミュニケーション・世界の食文化・世界の商人・海外の日本大使館での思い出といったものから、東西ドイツや南北朝鮮民族の統一問題や世界の人口問題といった話題にも及びます。
たとえば、「世界の食文化」の章での「世界で一番美味しい料理」についての著者のコメントです。
もちろん、海外のビジネス事情についての興味深い記述も多く見られます。ただ、それらは著者が海外勤務をしていた30年~40年ほど前の状況が語られているので、当時の記憶という点ではもちろん有意義なのでですが、今も参考になるかと言うと、その内容の説得力には今ひとつの感がありました。
こういった記述は、根拠のない著者の推測でしかなく、仮にエッセイと言えども無責任な印象が残ってしまいます。
読んでいても少々残念な気持ちがしますね。1冊の本の中に、あれもこれもと多様な話題を詰め込んだために、どうもひとつひとつのテーマについての書き込みが浅くなってしまったようです。
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