日本以外全部沈没 (筒井 康隆)
筒井康隆氏による「日本沈没」のパロディです。
この前、「日本沈没」の映画のリメイク版につられて「日本沈没第二部」を読んだのですが、今回もその流れです。
遥か昔(40数年前)、私が中学生のころSF、ショート・ショートが一世を風靡していました。当時、文庫本でよく読んでいたのが、星新一氏と筒井康隆氏の作品でした。
星新一氏の作品は、どの作品も、洗練されたユーモアと予想だにしない意外な結末で、あの柔軟で奇抜な発想力には一種の畏敬の念?を抱いていました。
他方、筒井康隆氏の方といえば、ドタバタ・ナンセンス、ブラック・ユーモアが満載の作風で、それはそれで“(やはり)到底かなわない”と思った記憶があります。
さて、今回読んだ「日本以外全部沈没」ですが、巻末の解説によると1962年から1976年に書かれた11の短編が収められているとのこと。
どの作品も、まさに初期の筒井ワールド満開です。
ただ、今、読んでみると、私には少々きついものがありましたね。
筒井氏一流のブラック・ユーモアなのですが、素直に受け入れられないところがそこここにありました。
私の感性の許容度や遊びが、昔に比べて狭まってきたせいかもしれません。