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部活の過去・現在・未来について語ります!/今窪 一太(いまくぼ かずた)トークセッション#002

ES-TV note 【2022.3.3ライブ配信】

W杯、ドイツに歴史的大勝利

2022年11月24日、日本は強豪ドイツを相手に歴史的大勝利をおさめました!

思えば、野球の大谷選手、バスケットボールの八村選手、渡邊選手、サッカー、ラグビー、陸上、最近は本当に世界を相手に活躍できる日本人選手が増えたなあと感じます。
日本人の体格が良くなったということもあるでしょうけど、科学的に根拠のある効果的なトレーニングや、プロフェッショナルなコーチングのおかげということもあるのでしょうね。

昭和時代の部活動

日本でスポーツに出会う機会といえば、学校の部活動。
昭和の学校の部活動といえば、
強制的に坊主頭。
練習中に水を飲めない。
体罰、連帯責任。
素人の顧問の先生、コーチ不在。
なんて感じでしたね。

大人になってスポーツを楽しむといえば、娯楽的な要素が強いですが、部活動といえば、運動というより、もはや鍛錬でした。
諸外国からスポーツが日本に入ってきて、「知育・徳育・体育」と言いますが、日本ではスポーツを教育の一環として取り入れたようです。
部活動もまさに生徒指導の一部であり、根性を鍛える、縦社会の礼儀を学ぶという側面があり、権威的で、必要以上に厳しかったりもしました。

部活動は先生のボランティア?
先生たちの働き方改革を考える

諸外国と比較して、日本は先生の労働時間が長いという状況がありますが、労働時間の内訳を見ると、教科及び教科の準備時間が長いのではなく、課外活動の時間が極めて多いという調査結果があります。
そして、そこにはやっぱり、部活動の顧問の問題があります。

部活動の教育的意義はもちろん認めますし、部活動をやりたくて学校の先生になった人もいるでしょう。
部活動を特色として、それを売りにしている学校もあります。

そういう意味ではすべての学校、先生にとって部活動が絶対悪ということではありませんが、年配の先生方や女性の先生を中心に、部活動が障害になっているケースは少なくないようです。

ES-TV第2回の配信では、部活動のこれからのあり方についてみんなで意見を交わしました。

部活動を民間など外部に移行する可能性

今窪:以前、勤務していた学校で陸上部を作ったことがあって、でも自分はずっと野球部だったし、自分では陸上部を指導することができなくて、それで外部でコーチを探したんです。
だけど、なかなか見つからなくて。
教育委員会のツテで紹介してもらえたのは、ある程度年配の、会社を務め終えた60歳以上の人がほとんどだったんですよね。
なかなかやっぱり、若い人を探すって難しいのかなっていう気がしますね。

善福:部活動をする時間って3時とか4時とかですから、多くの人は働いている時間で、どういう人が部活の時間帯に指導ができるのかっていう部分がまず前提としてあって、日本全体の働き方改革をしないと難しいですよね。

荒川:部活は基本的に毎日ありますからね。

善福:だから、部活っていう考え方の枠を日本の皆さん全体が、一旦外す必要があるのかなって思ったりもします。
地域総合型スポーツクラブっていうものを、各地で作って、そこに移行していく動きがあるのですが、まだ認知度が低いという問題があります。
ですから、委託しますということになっても、そうしたものがあること自体を一般の方が知らない中で、どうハンドリングしてそれをやっていくのかというのはなかなか難しいなあと思っています。
私はスポーツ選手のサポートをしているので、スポーツ選手の引退後のキャリアとして専門性をもって指導するということができたら面白いなあと考えています。
とはいえ、時間の枠がすごく短くて、それでいて毎日拘束されるというところで、現役を退いたスポーツ選手のやめた後の仕事として成り立っていくのかって考えると、かなり厳しい要素がありますね。
しかし、一方でプロフェッショナルだった方に教えてもらうということで、人気のスポーツ環境になる可能性はあるかも知れないと思います。
そう考えると、スポーツクラブの中に、部活動部門みたいなものを作って、そこに、いい人材がいて、スポーツクラブを通して給料をもらうというようなやり方ぐらいしかないかなとも思います。

今窪:個人を探すと、さっき言ったように60歳以上の人ばかりになりますからね。

荒川:スイミングスクールとか空手とか、いわゆる習い事とかは、そんな感じですよね。
学校終わってから、月謝を払って、鍛錬しにいく。
だから、できない話じゃない。
ただお金は家庭負担、親が出す形にはなります。

善福:運動部は、そもそものスポーツ環境が今まで学校内にあったというところが問題ですね。
陸上の選手だった為末さんが、YouTubeやご自身のブログで提言されていたりするんですが、持続可能な社会という観点でいうと、民間に任せて、月謝制みたいになってしまうとスポーツの機会を失ってしまう子どもたちも出てくるだろうと言っています。
経済的な家庭の格差があるので、あるところまでは誰もが参加できる仕組みにしておいて、さらに極める場合はお金を払って参加するという取り組みにしたらどうかとか、ドイツなどの教育環境やスポーツ環境を研究して、提言されているんです。
やり方を考えて、やろうと思えばできると思うんですよね。

今窪:そうなると、やはり一番難しいのは、学校が部活を捨てられるかということなんじゃないかな。

萩野:行動経済学で現状維持バイアスっていうのがあります。
心のどこかで現状を変えたくないという思いが 先生方の中にあるのかも知れません。
忙しくてたいへんだ、と言いながら、そういうふうに忙しくしながら文句を言っていたいという心理なのではないでしょうか。

善福:先生の中には部活をやりたいっていう人はいると思います。
例えば、課外活動の指導として、先生の仕事から切り話してあげるというのはどうでしょう。
民間の人が教えるのと同じように、先生が課外活動として教えるのを同じ枠にする。
適正な報酬を支払うようなやり方にして、部活動の先生を続けたい人は続けられて、副業のような仕組みにしてあげる。
そういう案を組み合わせながら最適な答えを見つけ出していくべきではないでしょうか。
答えはもちろん1つじゃないと思うのですが、今まで学校の中に当たり前にあったものを、まず取り出すということがすごく大切だし、たいへんだとも思います。

今窪:そこにもまた同じ問題が出そうですね。
今、教員が足らない足らないって言っているけど、体育を指導する先生が足らない足らないって言って、指導者がいる学校といない学校で二極化したりする可能性はあるんでしょうね、きっと。

2022年3月3日(木)20:00【EDUCATIONAL SUPPORT】ライブ配信!テーマは「部活」について!コメント・ご質問お寄せください!

Posted by EDUCATIONAL SUPPORT on Thursday, March 3, 2022


●善福 真凪(ぜんぷく まなぎ)理事 プロフィール
一般社団法人EDUCATIONAL SUPPORT理事
スポーツキャリア・プロデューサー
写真家
青山学院大学 文学部 卒業

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