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ワクワクするビジョンとバリューによって価値化される多様性とカルチャーデック|36冊目『理念経営2.0』

佐宗 邦威(2023, ダイヤモンド社)


あえて会社の理念をはっきりさせない方がうまくいく?


前回の『戦略的経営理念論』から引き続き、経営理念の本を読みました。
佐宗さんの考え方は大好きでとても共感できるので、何冊か著書を読ませてもらっていて『直感と論理をつなぐ思考法』と、子どもに読ませたくて買った『模倣と創造』が家にあります。

佐宗さんの著書は学術研究書ではないので自分の研究の先行研究としては取り上げづらいのですが、個人が仕事で「やりたいこと」、佐宗さんは「妄想」とも言っていますが、「やりたいこと」「妄想」すなわち個人の「ビジョン」が大事だよね!という考え方が僕の研究のテーマと一致します。

『理念経営2.0』はビジョン、バリュー、ミッション、パーパス、ヒストリー、カルチャー、エコシステムについて、佐宗さんなりの定義と、そのつくり方、会社への実装の仕方が書かれています。

前文では、「一人ひとりが自分のビジョンを大事にし、十分な対話によってそれをお互いに認め合う仕組みさえつくれば、各人が自由に働いていても会社はおのずと回っていく。組織にルールは多すぎないほうがいいし、そのほうがクリエイティブになれるーそう思って、僕はメンバーそれぞれの自律性をなによりも大切にしてきた。」
とあって、「ほらね、まったくその通り」と僕は思ったのですが、その続きがあって、コロナ禍でリモートで働くようになって、会社で働く意味を感じられなくなった優秀な社員が立て続けに辞めてしまった、だからやっぱり会社には従業員を惹きつける理念が必要なんだということでした。

僕の研究でも、個人のビジョン・ミッションが尊重されているだけでは、必ずしも個人のモチベーションは上がらず、良い企業文化につながらないという結果が出ていますので、それはそれで、とても興味が湧きました。

「経済的利益と社会的意義、もし迷ったら社会的意義を優先しよう」
今の時代に刺さる言葉です


ビジョンとはワクワクするもの、バリューは多様な個を束ねるもの

私立学校法の改正で中期経営計画策定が義務化され、大学が中長期のビジョンを発表するようになりました。
もちろん僕の勤務先でもトップの先生たちがビジョンを一生懸命考えています。

佐宗さんの定義ではビジョンとは「夢」であり、ワクワクしながらありありと見ることができる「景色」、と表現しています。

キーワードはワクワクです。

僕もワクワクさせてもらえるでしょうか。

また、自分がいつか会社を立ち上げたときには、ワクワクするビジョンを描くことができるでしょうか。


僕は仕事が速いので(その分、雑で、クオリティが高くないかも知れませんが)、自分のペースで仕事をしたいタイプで、どちらかといえばチームワークより個人プレイが好きな人です。

「なぜ、組織という群れにいる必要があるのか?」という問いがあります。
経済的な理由、作業的な効率化という理由がもちろんありますが、
「一人で働くよりも楽しいから」という理由もあります。
確かにそうかも知れません。

例えば、組織に同質の同じタイプの人たちばかりいたら、まとまりは良いのかも知れませんが、それで良い仕事ができるとは思いません。
良い仕事をする組織には「多様性」が必要です。

「多様性」を「価値」に変換する土台、多様な「個」を束ねるのが「バリュー」であると佐宗さんは言います。

同じ価値観の人ばかり集まったら、同質化、均質化して多様性のない組織になるのではないかと僕はずっと思っていたのですが、そうではなくて、多様な個性を「共通の価値観」でまとめるという逆の考え方のようです。
それぞれ違うところがたくさんあるのは大歓迎で、でも、会社として大事にするところは共通ということなんですね。

「カルチャー」の章で紹介されるジャクエツの価値創造モデル


カルチャーショック!!!カルチャーデック!!!

ビジョン、ミッション、バリューなどのそれぞれの意義やつくり方については、みなさんぜひ本を読んでいただけたらと思うので、僕が生意気に解説したり要約したりすることはやめておこうと思います。

クリエイティブかつ論理的な、佐宗さんの考え方はとても好きですし、学ぶところ、参考になるところの多かったこの本ですが、特に読んで良かったと思うところを上げろと言われれば、「カルチャーデック」の存在を知ったことと答えるでしょう。

勉強不足で、本を読むまでまったく知りませんでしたが、組織文化を物語として伝えるときに活用されているのがカルチャーデックと呼ばれるスライド形式のフォーマットで、ネットフリックスやリンクトイン、メルカリなどの企業が自社の組織文化を社内外に伝えていくための手段として使っているそうです。

佐宗さんが代表を務めるBIOTOPEもnoteを書いていて、カルチャーデックについて書かれたnoteがありましたので紹介させていただきます。


参考書籍
佐宗邦威, 2019 , 『直感と論理をつなぐ思考法』ダイヤモンド社
2022 , 『模倣と創造』PHP
瀬戸 正則 , 2017『戦略的経営理念論』中央経済社

最後までおつきあいいただきありがとうございました。
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