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これからのリーダーは、メンバーに自分のビジョンを語らせることが大切|50冊目『共感型リーダー』

岩田 松雄(2024,  KADOKAWA)



読むべき本は、探さなくてもやってくる

私が大学院(立教大学院ビジネスデザイン研究科=以下RBS)の1年目のときに、この本の著者である岩田先生が、実はRBSで授業を担当されていました。
私は残念ながら岩田先生の授業を履修できなかったのですが、無理をしてでも調整すべきだったなあと今ではとても後悔しています。
ちなみに大学院入試の面接をしていただいたのも岩田先生でした。

本によると、岩田先生のビジョンは社長になることと、教員になることだったそうで(叶えています)、グレードとスケールと実現可能性こそ違いますが、実は僕も同じビジョンを今、描いています。

高望みして専任教員とは申しませんが、僕も大学で授業を持てるようにはなりたくて、昨年、産学連携教育イノベーター育成プログラム(以下AIBET)の履修証明プログラムを受講して、立教大学経営学部ビジネス・リーダーシップ・プログラム(以下BLP)の内容を中心とするリーダーシップ開発力育成を学びました。

僕の現在の本職は学校の広報職員です。
すっかり窓際で、このチームではもう出番はないんだろうなと思っていましたが、それでももしかしてゲームに出られることがあるかと思い、自主トレは欠かさないでいました。
実はAIBETもそんな自主トレの一つです。

そうしたところ、卒業(60歳役職定年)を目前にして、またコートに立たせてもらうチャンスをいただきました。

そんな状況下にあるとき、不思議なもので、今こそ読むべき!という本たちが僕の目の前に忽然と現れたのです。
それは、家の本棚にひっそりと存在していたり、勤務先の本棚にさりげなく置かれていたり、あるいはSNSでリコメンドされたりと、あの手この手で僕の前にやってきました。

そんな本の筆頭がこの岩田先生の『共感型リーダー』です。


リーダーシップの定義

AIBETは「リベラルアーツ教育力育成」「インストラクショナルデザイン指導力育成」「アントレプレナーシップ教育力育成」「リーダーシップ開発力育成」と4つのコースがあり、その中から僕はリーダーシップを選びました。

立教大学がこのコースを担当していたことが選択の大きな理由の一つですが、僕は組織論を専門にしているので、リーダーシップにも強い関心を持っていました。

RBS時代には、リーダーシップ関連の授業を履修できなかったのですが、AIBETでリーダーシップの基本的なことを一通り学んでから、この『共感型リーダー』を読んだので、腹落ちする内容ばかりで、気持ちよく読み切ることができました。

BLPではリーダーシップを「職場やチームの目標を達成するために他のメンバーに及ぼす影響力」と定義しています。

本では、「リーダーシップとは部下にやらなければならないことをやりたいと思わせる技術(ジム・コリンズ)」、「方向性を決め、目標を設定し、資源を配分し、人々を行動に移すこと(ドラッカー)」といった言葉が紹介されていました。

「やりたいと思わせる」って大事だなと思いました。


「これからのリーダーとは自走式の組織をめざす」

これもビビッときました。
自走式・・・自主的で自立しているということ。
自律分散型の組織だということ。

・・・ティール組織ですね!

そうなるためにはチームメンバー一人ひとりが「組織のミッションを自分のことと考えている」ことが必要だと言います。

そして、これからのリーダーは、
一人ひとりのメンバーに「自分のビジョンは何か」「自分は何をしたいのか」を語らせることが大切!
と言います。

もう絶対そうですよね。
僕もずっとそれを思っていました。

だから、今度は実際にそれやろうと思います。

僕自身のビジョン、何がしたいのかもチームのみんなに発表しようと思いますが、メンバーのビジョンとやりたいことも恒常的に問い続けようと思っています。

「思い」は「ミッション」と「パッション」でできていて、そこから描かれるのが「ビジョン」です。
だから、ビジョンはミッションでもあるし、ミッションはビジョンでもあります。(※僕の研究では「ビジョン・ミッション」として、あえて区別しないで使っています)

そしてミッションとは情熱を持って取り組めること、すなわち「好きなこと」と、世界一になれること「得意なこと」、そして経済的原動力になるもの、つまり「何か人のためになること」が重なるところ、という『ビジョナリー・カンパニー2』の「ハリネズミの概念」が紹介されています。

僕が勤務している学校の根本的な考え方に「オンリーワン・フォー・アザーズ」があります。

世界一になれることといえば「ナンバーワン」という言葉の方がしっくりくるかも知れませんが、それが得意なだけではなくて、好きなことでもあるので、あえて「オンリーワン」と無理くり解釈をして、それを人のために役立てる「フォー・アザーズ」と合わせたら、なんと、ミッションとは「オンリーワン・フォー・アザーズ」なんだと言い替えられると思いませんか?


そして組織変革

ピーク時には200万人を超えていて、少し前、2000年代前半くらいまでは150万人いた18歳人口が、今ではあれよあれよと106万人まで減少してしまいました。

そして、2023年の出生数が76万人を割っていることを考えると、そこから18年後には、その人数から大学は学生を分け合わなくてはならなくなるわけです。

2000年代前半の半分の人口という、あまりに極端な話すぎて、現実として受け止めることが難しいのかも知れませんが、僕の勤務先ももちろんそうですが、これから学校は、自分たちのあり方をこれ以上ないというほど真剣に考えなくてはならない状況なのです。

結局は学校全体を変革していく必要があるのですが、僕はそのきっかけとなる動きを足元から起こしていこうと考えています。


とはいえ、「組織変革」とはリーダーの最も困難で、一番重要な仕事であると書いてあります。

そして、リーダー一人だけで組織を変革することは不可能であり、変革には強力で幅広い基盤を持つリーダーシップチームが必要だとあります。

繰り返しになりますが、重要だと思うので同じことを言うのですが、そのためには、メンバーそれぞれがビジョンを持つことが大切なのだと思っています。
もう一つ付け加えると、メンバーそれぞれが成長意欲を持つことも重要です。

ということで、リーダーシップチームを作ることが、今の僕のビジョンであり、やりたいことだということに気づいちゃいました!


最後までおつきあいいただきありがとうございました。
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