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ひとりごち

大切なことは誰にも言わない

これはわたしだけのことなのか

ひとりごち

母が慌てて、父の待つ実相の世界に還ったのは
なんのため

もしかしてもうすぐ父はこの世に生まれ出るからか

母はあっちの世界に戻って
甲斐甲斐しく父の世話をしたかったのか
しっかりと送り出したかったのか

そんなことを考えるわたしって…

父と母の感謝の日
おやさまが息子とわたしに言われた言葉を
わたしは全く覚えていない
スコンと抜けている

時々ある

「覚えているか」と息子にたずねると
彼は大まかに覚えていた

わたしには「この一年、かなしみを乗り越えて来た」

息子には「仕事も家庭もちゃんとなる、新しい命も…」
それこそ濁して、はっきり言わない

あぁ、それでお社さんは「母が直ぐに降りて来る」みたいに言われたのか

わたしは即座に否定したけれど

「もうこの世に降りて来たくはない」と常々、母は言っていたから

母でなければ父だろう
だから母と一緒に感謝祭をしてもらう

自分も連れてゆけとおねだりをしたのか

そうなのか…

もしかして息子のところに生まれ出るのは父なのか

父は昔々、わたしが若くしてあの世に還った父の姉の魂であると母にささやいた

そして息子の魂は父の母
つまりはわたしの祖母の魂である

息子が生まれて
初めてわたしが彼の一重まぶたの細い目を開けるところを目撃する
生前の祖母と同じ目付きをしたのだった 
「えぇ、ハナさん」(ハナは父方の祖母の名前)
わたしは瞬間的に悟ってしまう
前世でわたしはハナさんの娘
父はわたしの弟だった

近すぎるだろう
そんなバカな…

魂は男も女もない
息子は前世では女だった

なんだか頭がこんがらがる

こんな話はひとりごちでしか出来ないこと

どうか聞き流して下さいね

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