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ふらふらと

夕方に
クリーニングを出しにゆく
車の通る脇の歩道をとぼとぼ歩く

向かいから車が来る
カーブの道を
スピード落とさず
やって来る

歩道から降りて
車道の脇を歩いてみる

「ひかれるよ、危ないでしょ」
「いいのよ、いいの」
「それはダメ、ひいた人の迷惑になる、婆さんひいて迷惑するだけ」

そんな言い方ないだろう
もう少しやさしく言えないのかな

苦しみたくない
一気に行きたい
希死念慮

分かってる、分かってる

そんなに簡単にあの世に戻れるなんて
思ってない

駅のホーム、ふと魔が差して
通過電車を見送る時も
このまま
ここから飛び込んだら楽になるかな

世の中には死にたい人がいっぱいいる

でも死ねない

失敗して
もっと不自由になるのはイヤ

かつて読んだ本
苦しくて苦しくて
駅のホームから飛び降り自殺をして
失敗して生き永らえた人がいた

その人はもっと大変な人生を歩んでゆく
神様に与えられた命と生きてゆく

その話しを知ってから
楽には死ねないと思い出す
頭のすみにいつもある

それでも時々
生きる意味が分からなくなる
辛くて辛くて

鼻をつまんで息を止めてみる
そんなんで死ねるわけはない
くだらないことをする

ふらふらとふらふらと


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