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御焼香

実家に戻っている
朝、こっそりとゴミを出す

その時に母がよくおはなしをしていた近所のおばさんに会う

その方にだけは母が亡くなったことを話した
少し前に母にお線香をあげさてと言われたがタイミングが合わないままになっていた

おばさんのお仕事の休みの日
「御焼香をさせて」と言われた

もう一人、ご近所のおじさんも
一緒に

みんな、母が居なくなったのは分かっていたが、なかなか口に出して聞けなかった様子

よく母と話しをしていたおばさんは
「いつも元気そうにしていたけれど、お母さんは具合が悪いと言っていた」
と話される

そんなことを聞いたら
涙が出る
あぁやはり、何でもっと母のことを思いやることが出来なかったのかと

やっとの思いで生きていた母
身体がつらいのに
わたしは母のことをちゃんと見ていなかった
自分のことで精一杯だった

それでも頑張って生きてくれていた
何で一番に母のことを思えなかったのか

あんなやさしい人はいなかった
あんな暖かい人はいなかった

母がいるのが
当たり前だと思っていた

もう今はいない
かなしい現実を受け入れられない
ずっとずっと

肉体のない実相の世界の話しを
聞いていても
知っていても
学んでいても
さみしくてたまらない

母のいる世界にわたしも行きたい
迎えに来て欲しい

母の遺影を見て
母の遺骨を見ても
実感がわかない

まだまだ半分
夢の中
御焼香をしてもらっても
母はそこにいるような気がする

魂は永遠だから

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