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ヘナ染め

母がいた頃は
十日に一度ヘナで白髪を染めていた
まだまだ必要と買ったヘナ
使っていない
一年経っても
減ることはない
気力がなくて自分ではなかなか染められない

それでも気づくと白髪が混じってる
あぁ、どうしよう
あんなに頻繁にしていたヘナ染め

やっとやっと
どこかから出てきた
使いかけのブラウンのヘナが終わり
新しい箱を開けてみる

いつも母に任せていたヘナの作り方とは違う説明書を初めて見る

こんな作り方もあったのか
温かいお湯にヘナを泡立て器でホイップする…

母もぬるいお湯でヘナを溶いていた
それを一晩寝かせておく
翌日に馴染んだヘナに卵の白身を混ぜて髪に撫でつける
撫でつける前に髪を濡らす

わたしには余裕がない
気持ちの余裕がないから
一晩も待てない
思いたったが吉日と
その晩に染めてみる

ヘナを塗った頭にラップを巻き付け、タオルを巻く
そして銀のヘアキャップを被る

待つこと一時間

そういえば母はヘナ染めを一日がかりの仕事にしていた

何でも自分でやっていた

わたしにあれして、これしてと言い出したのはサインだった
身体がつらいというサインを出していた
それなのにいつでも母に頼って生きて来たわたしは気づかない
今でもずっと後悔ばかり

母の暮らしていた家で母の思い出に包まれて暮らしている

今回からはブラウンではなくオレンジに染まるヘナ

オレンジ色は母の色
気になっていた白い毛はしっかり母の色になっている

わたしの白髪も増えきた
母ほどではないけれど



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