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ガサツな女③


ガセネタをつかまされました
それを信じておりました

Mさんという
音楽家でございます
一緒にこころ学びをしております

海外での留学経験もあり
イタリアでオペラの賞を受賞しいるプリマドンナさんでございます

海外にいると強く自分を主張するので

奥ゆかしい?日本人のわたくしには近寄り難い存在でございました

ところがございます
あちらから挨拶をされまして
えっ?わたくしに…

なんかかわいらしい方ではないか
と思えるようになりました

わたくしが骨折をして、入院をして
しばらくおやさまの元に通えなくなり

退院してから久しぶりに息子の車に乗せられて
おやさまの元へ参りました

わたくしたちが帰る時、彼女は息子の車に駆け寄って来て
「しばらく、見ないけどどうしていたの?大丈夫?」
と綺麗な張りのあるお声を掛けてくださいました

えっ?わたくしに?びっくり!でございます

何故わたくしに、どうしてわたくしに…

それからはこちらからもお声を掛けさせて頂いておりますが

ある時「Mさんはいくつなんだろう?」とわたくしは知人と話をしていると
そばで聞いていた方が
「Mさんはもう六十ウン歳よ」
とおっしゃいました

「えぇ~若く見える」

「それは私たちのように子どもを産んでいないからね」と知人は申しました

「まぁ、そうだけど」と
二人で納得をいたしました

それからはMさんはわたくしの中では年上の存在でございました


ところがでございます

先日、一緒に帰ったお友だちに何気なくMさんの歳のことを申しますと

「いやいや、Mさんはわたしよりも年下よ」
と真実を知りました

そのお友だちはわたくしよりも年下でございました

なんてこと…

噂とは恐ろしいものでございます
背びれ、尾びれがついて勝手にひとり歩きをしてしまいます

人の言葉を安易に信じてはいけないと言うことでしょう

Mさんのひとりで生きてきた強さとヨーロッパで揉まれてきた自己主張の強さを見ていると実年齢よりも高く見られても仕方のないこととは思いますが…

全くもって失礼なお話しでございました 

ガサツな女であるわたくしも反省をいたしましたとさ




おしまい




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