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よみがえる


母の言葉がよみがえる

「あの時はあんなにやさしかったのに…」

それはわたしが三度目のプレートを抜く最後の手術のあと

本当は一刻も早く母のもとに帰らなければならないのに

わたしのワガママが出た
母を邪険に扱った

もう時間がなかったのに
もっとやさしく出来たはずなのに

その後悔は今も消えない
消えない後悔ばかりなり

母の写真を見ては涙が溢れる
今すぐに母のもとに行って
謝りたいと

苦しいのは自分だけではない
母のことをもっと思いやれない自分がかなしい

この間、教えの話しに出て来ていた
「思いやりは重い槍」

思いやりと言うやつは
重い槍なのだろうか?と

泣きながらそんな言葉が浮かびくる
神様は時々可笑しなことをおっしゃる
不思議な話しを聞かされる

母はわたしの中に生きている

いつも喧嘩して
時々笑い合い
本音でしかぶつからない
母は涙を流さない

間も無くパリオリンピックがやってくる

そう言えば
「東京オリンピックまでは生きていない」と母は自分の命に期限をつけていた

よみがえる母の言葉たち

もういない母の姿を探してる

わたしはまるで幼子に戻ったように

泣き笑いを繰り返す



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